全日本ロードレースに17歳のニューヒーロー誕生…Team SRS-Motoの中島元気

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中島元気選手
中島元気選手 全 3 枚 拡大写真

鈴鹿サーキットの2輪レーシングスクールSRS-Motoで2016年のスカラシップを獲得した17歳の中島元気(TEAM SRS-Moto)が、全日本ロードレース開幕戦・筑波サーキット(9日)のJ-GP3クラスで3位表彰台に立ち、鮮烈デビューした。

J-GP3クラスは、ベテランライダーをはじめ、女性ライダー岡崎静夏や、多くの若手ライダーが参戦する注目クラス。さらにHonda NSF250Rのワンメイクに近い状態のためにマシン性能差が出にくく、ライダーのテクニックが勝敗を大きく左右するクラスでもある。そうしたなかで、今年から全日本ロードレースを戦うことになった中島は、いきなり3位に入り、表彰台に立ったのだ。

「筑波サーキットは、今大会に向けての事前テストを走りましたが、それ以外では、2年前にHondaのテストに参加させてもらったのが最初で最後です」

こう語る中島だが、筑波サーキットのようにコース距離が短いテクニカルコースは世界的にも類を見ない。こうした理由から、筑波マイスターと呼ばれるライダーが存在するほどで、ここで新人が結果を出すのは至難の業でもある。しかも当日はウエットコンディションであり、コース攻略はさらに難易度を高めていた。

「1周目はトップで戻って来られたけれど、2周目に伊達(悠太)選手、4周目に小室(明)選手に抜かれてしまいました。正直なところ、この2人についていって逆転を目指したかったけれど、レース前に菊池(寛幸)監督から無理するなと言われていたし、オープニングラップのASIAコーナーで長谷川(聖)選手が転倒するのを見て、冷静に行かないと危ないと判断しました」

幼稚園の年中からポケバイに乗りはじめ、その後のポケバイスクールを経て小学6年生でSRS-Moto(当時はSRS-J)に入校。ベーシッククラス、アドバンスクラスを経て、昨年は鈴鹿サンデーロードレースのJ-GP3でチャンピオンを獲得。同年代には亀井雄大や関野海斗らがいるが、両ライダーはすでに全日本で成績を出している。それだけに中島は自身を「遅咲き」と評するが、その分、しっかりと基礎とパワーを蓄えてきた。

「デビュー戦での3位はうれしいけれど、まだまだだなという悔しい気持ちも強いです。J-GP3クラスの次戦はスポーツランドSUGOですが、僕は鈴鹿サーキットとツインリンクもてぎ以外は走ったことがないんです。そのツインリンクもてぎも、Hondaの走行会で2回走ったのみで、岡山国際もオートポリスも走ったことがありません。だから、走ったことがないサーキットを走ること、そしてそこでのレースがいまから楽しみです」

世界一とも言えるテクニカルサーキットの筑波サーキットで、いきなりトップを走ることができるライダーセンスは、世界屈指のサーキットである鈴鹿サーキットで育ったライダーならではのこと。そして筑波サーキットでこれだけのパフォーマンスを発揮できるのであれば、この他の国内サーキットを攻略するのはそれほど難しいものではないはずだ。

中島が育った鈴鹿サーキットでJ-GP3クラスが開催されるのは11月5日のシリーズ最終戦MFJ-GP鈴鹿まで待たなければならないが、ホームコースに戻ったときの、中島のランキングはもちろん、ライダーとしての成長ぶりが注目される。

《佐久間光政》

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