ウーバーがもくろむ“垂直離陸”…次世代都市交通はeVTOL サミット開催

航空 企業動向
ウーバー・エレヴェイト(ヴァーティポートのイメージ)
ウーバー・エレヴェイト(ヴァーティポートのイメージ) 全 3 枚 拡大写真

自動車配車サービスを展開するウーバーは25~27日、米ダラス市で「エレヴェイト・サミット」を開催、オンデマンド都市交通としての電動垂直離着陸機(eVTOL)を提案、実現のための検討を関連業界や行政に呼びかけた。

25日の基調講演にはウーバーのチーフ・プロダクト・オフィサーであるジェフ・ホールデン氏が登壇し、「ウーバー・エレヴェイトと未来の都市モビリティ」について語った。

「たとえばサンフランシスコ市のマリーナに住んで、サンノゼの都心で働いている場合、通勤に片道2時間かかる。これが15分になったら? 南米サンパウロ市の都心から郊外のカンピーナス市までの2時間が18分になったら? ストップ&ゴーを繰り返し90分以上かかる、インドのグルガオンからニューデリー都心のオフィスまでの所要時間が6分になったら?」

都市生活者が移動のために浪費している時間を節約できるのがeVTOLというわけだ。

「建築は限られた土地面積で効率を追求して高層化した。道路の渋滞を軽減するために、3次元の航空交通を活用したい。垂直離着陸できる小型電動航空機のネットワークによって、郊外と都心との間の、そして都市内の、快速で信頼性のある交通機関を実現したい」

ホールデン氏は、eVTOL向けインフラストラクチャーの整備は、道路や鉄道、橋やトンネルといった建設工事よりもコスト的に有利になると予想する。

「既存のパーキングビルの屋上を流用したり、もちろん現在あるヘリパッドも使える。道路のインターチェンジ内には活用されていないスペースがある。そういったところに“ヴァーティポート”=複数のeVTOLが発着でき、電池に充電もできるハブや、“ヴァーティストップ”=eVTOLが1機離着陸できるだけの最小限のスペースを儲けることができる」

eVTOLの実用化に向けての課題としてホールデン氏は、 (1)法制化、(2)VTOLの性能と信頼性、(3)航空管制、(4)コスト、(5)騒音、(6)排ガス、(7)パイロット養成などをあげる。そして業界によるアセスメントを呼びかけた。

サミットは、VTOL交通の使命、そのエコシステムにおけるウーバーの役割、業界が協力できる可能性といったことを認識し、eVTOL実現までの道筋を定義することが目的だ。輸送機器メーカー、行政、ベンチャーキャピタル、航空技術会社らが、研究・開発・計画を共有する機会として開催される。

《高木啓》

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