EWCルマン24時間耐久レース2位の野左根航汰「悔しい」

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EWC第2戦、ルマン24時間耐久レース(4月15~16日)
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モーターサイクルのFIM世界耐久選手権「EWC」シリーズ第2戦、ルマン24時間耐久レース(4月15~16日、フランス、ブガッティサーキット)で野左根航汰が2位の表彰台に立った。

野左根は、今年からヤマハのファクトリーチームYAMAHA FACTORY RACING TEAMに所属して全日本JSB1000クラスを戦うが、その一方で、世界耐久選手権にも参戦。こちらはYART Yamaha Official EWC Teamでの戦いとなる。ルマン24時間耐久レースで野左根は、スタートから約20時間にわたりチームはトップを堅持。最終的に同じヤマハのGMT94 Yamahaにトップを明け渡すが、初めての24時間レースで堂々の2位となった。

「ひと言でレースを振り返るならば、本当に長いレースでした。スタート時点の体力を100としたら、チェッカーのときはゼロでした。それくらいすべてを出し切りました。24時間レースなので、鈴鹿8耐とは違って、ある程度は淡々としたものだと思っていたのですが、まったく違いました」

「レースのペースは予選タイムとほぼ同じだったし、とにかく攻めて走っていないと、まわりのタイムに追いつけない状態でした。ただ、レースではずっとトップを走っていたので、優勝したかった。しかも自分が走行しているときにGMT94にトップを奪われているので、本当に悔しい」

昨年の鈴鹿8耐で、野左根は同じYART Yamaha Official EWC Teamに所属したが、そのときのピレリタイヤから、今回はブリヂストンタイヤに変更された。

「昨年のピレリは、初めて履くタイヤだったので、特性が掴めずに本当に厳しかった。今回は全日本でも履いているブリヂストンなので、これは精神的にものすごく大きかった。アベレージ走行でも安心感があるし、ここいちばんで速く走らせることもできました」

では、野左根の24時間レースはどのようなものだったのか。

「24時間レースを3人のライダーで走るので、1人が1時間ずつ、8スティント走る計算です。夜間走行は初めてでしたが、サーキットの照明がしっかりしていて、昼間と同じように走ることができました。ただ、夜はすごく寒くて、これが厳しかった」

「自分の6スティント目にGMT94を引き離そうとプッシュしたのですが思うようにはいかず、逆に7~8スティント目に自分のペースが伸びませんでした。優勝したGMT94と僕のYARTは同一の860ラップを走破していて、これは最多周回数のレコードと聞きました。そしてヤマハのルマン24時間での1-2は初めてということなのですが、だからこそ優勝できていれば完ぺきだと悔しさがこみ上げます」

「24時間のレース中に、眠ったのは15分くらいです。チームから、ナイトセッション中に走行予定を変更するから少し身体を休めるように言われました。でも、テンションが上がっているので、しっかりと眠ることはできずに、うとうとした程度です」

「ライダー編成は、昨年の鈴鹿8耐を一緒に戦ったブロック・パークスと、ドイツのスーパーバイクチャンピオンのマービン・フリッツです。ブロックのタフさは、昨年の鈴鹿8耐で知っていますが、フリッツも本当に速かった。年齢は23歳と言っていたので、僕と同年代で、とにかく彼に負けないようにと、いい目標になりました。最大のライバルが同じチームにいたという感じです」

ルマン24時間の舞台となるブガッティサーキットを走り、改めて鈴鹿サーキットの難しさが分かったという野左根。その野左根の次の耐久レースは、5月21日のシリーズ第3戦ドイツ・オーシャズレーベン8時間だ。

「次戦は、鈴鹿8耐と同じ8時間レースなので、レース内容がどのようなものかが興味深いです。チームはランキング5位ですが、上位を目指せる位置にいるので、しっかりと結果を残せるようにがんばります」

今年の世界耐久選手権シリーズの最終戦は、7月30日に鈴鹿サーキットで開催される“コカ・コーラ”鈴鹿8耐だ。そしてここに野左根がどのような形で戻ってくるのか興味深い。

《佐久間光政》

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