JR北海道は5月11日、駅員が配置されていない駅(無人駅)を沿線の自治体などに無料で貸し出すと発表した。利用者が少ない駅や路線の活性化を目指す。
発表によると、対象線区は宗谷本線の名寄~稚内間、根室本線の滝川~富良野間と釧路~根室間、室蘭本線の沼ノ端~岩見沢間、釧網本線の東釧路~網走間、日高本線の苫小牧~鵡川間、石北本線の新旭川~網走間、富良野線の富良野~旭川間。各線区内にある無人駅の空いているスペースを自治体や観光協会、商工会などに無料で貸し出す。ただし設備の修繕費や光熱費などは別途負担する必要がある。
各線区の1日平均通過人員(旅客輸送密度)は、いずれも200~2000人と少ない。JR北海道は2016年11月、これらの線区の単独維持は困難とし、上下分離方式の導入などを軸に沿線自治体と協議する方針を示している。同社は「(無人駅の空きスペース活用で)利用の少なくなった駅がにぎわいを取りもどし、鉄道の利用促進にもつながることを期待したい」としている。