【MINI クロスオーバー 試乗】フットワークの軽さを如実に感じるFF…島崎七生人

試乗記 輸入車
MINI クーパーD クロスオーバー
MINI クーパーD クロスオーバー 全 9 枚 拡大写真

試乗車はFFモデルの「クーパーD」。以前に試乗済みの4WDモデル(クーパーSD ALL4だったが)との車重差は実に90kgある。FFのほうがフロント40kg、リヤ50kgそれぞれ軽く、当然ながらその影響は如実に感じられた。

1番の違いはフットワークの軽快さだ。クーパーSD ALL4の重厚さをイメージして乗ると、走り出した瞬間から、まるで別のクルマのような身軽さを感じる。ステアリングを切り込むと素直でなめらかな反応を示すし、乗り味も軽快だが、決して軽々しくなくしっとりとしたもので、もちろんゴツついたりしない。もはや切ればグイグイと曲がったクラシック・ミニ時代からの“ゴーカートフィーリング”とは別世界。だが現代的な洗練されたセンスでまとめられたファンなハンドリング、フットワークといったところか。

150ps/330Nmの2リットル4気筒ツインパワー・ターボ・ディーゼルも、フットワークに見合ったパフォーマンスを発揮する。シフトレバーつけ根にモード切り替えスイッチがあり、これを“SPORT”に切り替えると、加速時の速さ、スムースさ、レスポンスが明らかに増すのが体感できる。が、その応答性も決してアクセルワークに対し破綻を来すようなことはなく、ジワリと踏み込むと気分よく“増強モード”が楽しめる…そんな感じだ。

ドアシールが2重になっていたりして、アイドリングから走行中まで、エンジンノイズ、振動もまったく気にならない。このあたりの快適性のレベルの高さは「ああ、今までより1クラス上のクルマを目指したのだなあ」と実感させられる部分だ。

居住性はよく、とくに後席は、シートクッションが“フカッ”としており、頭上、横方向ともに余裕のある空間が快適だ。

ダイヤ型パターンのステッチが施された革シートは、まるでベントレーか何かの超高級車を連想するハイクラスな雰囲気。室内のフィニッシュレベルもより高まった印象で、タッチパネル方式のナビ画面や電動パワーシート、手を使わずに開けられるバックドアなど装備レベルも申し分ない。そのバックドアを開けラゲッジのフロアボードを持ち上げると、中から引き出して使うクッションが備わる。ここに腰かけて、どこか景色のいい場所でコーヒーでも飲みたい…そんなゆったりと過ごす暮らしの1シーンを連想させてくれる心弾む装備のひとつだ。

■5つ星評価
パッケージング:★★★★★
インテリア/居住性:★★★★★
パワーソース:★★★★★
フットワーク:★★★★★
オススメ度:★★★★★

島崎七生人|AJAJ会員/モータージャーナリスト
1958年・東京生まれ。大学卒業後、編集制作会社に9年余勤務。雑誌・単行本の編集/執筆/撮影を経験後、1991年よりフリーランスとして活動を開始。以来自動車専門誌ほか、ウェブなどで執筆活動を展開、現在に至る。 便宜上ジャーナリストを名乗るも、一般ユーザーの視点でクルマと接し、レポートするスタンスをとっている。

《島崎七生人》

島崎七生人

島崎七生人|AJAJ会員/モータージャーナリスト 1958年・東京生まれ。大学卒業後、編集制作会社に9年余勤務。雑誌・単行本の編集/執筆/撮影を経験後、1991年よりフリーランスとして活動を開始。以来自動車専門誌ほか、ウェブなどで執筆活動を展開、現在に至る。便宜上ジャーナリストを名乗るも、一般ユーザーの視点でクルマと接し、レポートするスタンスをとっている。

+ 続きを読む

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. 「ミニGSX-R」をスズキがサプライズ発表!? 鈴鹿8耐マシン以上に「サステナブルかもしれない」理由とは
  2. メルセデスベンツ車だけに特化!走りを静かにする「調音施工」認定店が埼玉県三郷市にオープン
  3. 車検NGの落とし穴!? シート交換で絶対に知っておくべき新ルール~カスタムHOW TO~
  4. 次期BMW『X5』の車内を激写! メーターパネル廃止、全く新しいパノラミックiDriveディスプレイを搭載
  5. トヨタの大型ピックアップトラックの逆輸入に期待? 新型発表に日本のファンも熱視線
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 「AIディファインド」の衝撃、日本の自動車産業は新たな波に飲み込まれるのか…アクセンチュア シニア・マネジャー 藤本雄一郎氏[インタビュー]
  2. ブレンボが新ブレーキ開発、粒子状物質を削減…寿命も最大2倍に
  3. EV充電インフラ-停滞する世界と“異常値”を示す日本…富士経済 山田賢司氏[インタビュー]
  4. SUBARUの次世代アイサイト、画像認識技術と最新AI技術融合へ…開発にHPEサーバー導入
  5. 栃木ホンダ販売、テラチャージの急速充電器設置…EV充電環境を強化
ランキングをもっと見る