【レクサス LC500 試乗】ああ、エンジンのある時代に生まれてよかった…岩貞るみこ

試乗記 国産車
レクサス LC500
レクサス LC500 全 16 枚 拡大写真

思わず二度見する存在感。このクラスに必要不可欠な要素はこのデザイン力である。ルームミラーに映るフロントマスク。わきを駆け抜けていったときのナナメ後ろからの艶っぽさ。そして、思わず追いかけたくなる後ろ姿。加えて、聞こえてくるエンジン音が魅惑的であれば文句はない。

美しいボディラインは、単に機能美を描いただけではなく、いかに美しく作り上げるかという作り手の美学が大きくかかわってくる。ラインをあわせ、色をあわせ、面を合わせていく細かな配慮こそが、最後、心に響く質感につながるというわけだ。手作りに近い生産ラインで作られるLCには、その心意気が上乗せされているといっていい。

ドアを開くと1920mmという横幅が作り出す広い空間を使い、贅沢に凹凸のボリューム感をつけられたインテリアが広がる。特にカラーバリエーションで明るい色を選ぶと、さらにその立体感が際立ち、運転席に座ったときの包まれ感がはんぱない。

ただ、走りのモードを変えるスイッチがハンドルの奥にあっていちいち上体を背もたれから離さないと届かなかったり、カーナビの使い勝手が悪かったりと、デザイン優先&社内事情がちらちら垣間見えるのが惜しい。

エンジンはV8の5リットル。そしてATトランスミッションは10速である。正直なところ、日本の高速道路で10速まで使うことはあるのかという気もする。けれど、1速、2速、3速と、加速していくときの滑らかさといったらない。

さらに、スポーツモードにしてブレーキを踏むと、V8エンジンがうなりを上げるようにしてシフトダウンしていく。ああ、エンジンのある時代に生まれてよかったと思わざるを得ない。HVもあるが、私はだんぜんV8に乗りたい。美しいボディラインと、悪ガキっぷりな走りのアンバランスがたまらないのである。

■5つ星評価
パッケージング:★★★
インテリア/居住性:★★★
パワーソース:★★★★
フットワーク:★★★★
オススメ度:★★★

岩貞るみこ|モータージャーナリスト/作家
イタリア在住経験があり、グローバルなユーザー視点から行政に対し積極的に発言を行っている。主にコンパクトカーを中心に取材するほか、最近は ノンフィクション作家として子供たちに命の尊さを伝える活動を行っている。レスポンスでは、アラフィー女性ユーザー視点でのインプレを執筆。

《岩貞るみこ》

岩貞るみこ

岩貞るみこ|モータージャーナリスト/作家 イタリア在住経験があり、グローバルなユーザー視点から行政に対し積極的に発言を行っている。レスポンスでは、女性ユーザーの本音で語るインプレを執筆するほか、コラム『岩貞るみこの人道車医』を連載中。著書に「未来のクルマができるまで 世界初、水素で走る燃料電池自動車 MIRAI」「ハチ公物語」「命をつなげ!ドクターヘリ」ほか多数。2024年6月に最新刊「こちら、沖縄美ら海水族館 動物健康管理室。」を上梓(すべて講談社)。

+ 続きを読む

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. ベントレーの超高級住宅、最上階は「55億円」 クルマで61階の自宅まで
  2. 日産の新型セダン『N7』、発売50日で受注2万台を突破
  3. 【ダイハツ ムーヴ 新型】「ポッキー入れ」にイルミネーション、軽自動車でも質感を“あきらめさせない”インテリアとは
  4. トヨタ RAV4 新型、PHEVのEV航続は150km
  5. BMW、カーボン素材を天然繊維複合素材に置き換え、量産車に採用へ
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 「やっと日本仕様が見れるのか」新世代ワーゲンバス『ID. Buzz』ついに上陸! 気になるのはサイズ?価格?
  2. 独自工会、EV減速でPHEVに着目、CNモビリティ実現へ10項目計画発表
  3. 茨城県内4エリアでBYDの大型EVバス「K8 2.0」が運行開始
  4. 中国EV「XPENG」、電動SUV2車種を改良…新電池は12分で80%充電可能
  5. コンチネンタル、EVモーター用の新センサー技術開発…精密な温度測定可能に
ランキングをもっと見る