大阪モノレール「脱出シューター」導入…救出時間を大幅短縮

鉄道 企業動向
大阪モノレールの車両に搭載された非常用脱出シューターを展開した姿。本年度から2021年度にかけて全編成に搭載される。
大阪モノレールの車両に搭載された非常用脱出シューターを展開した姿。本年度から2021年度にかけて全編成に搭載される。 全 4 枚 拡大写真

大阪府内のモノレールを運営している大阪高速鉄道(大阪モノレール)は5月18日、同社が保有している営業用の車両に「非常用脱出シューター」を搭載すると発表した。車両が走行できなくなった場合の乗客の救出時間を短縮する。

発表によると、今回導入する非常用脱出シューターは、消防法認定のビル用避難器具を改良したもの。車両の窓から地上へシューター部分を投下し、乗客は筒状のシューター内部をらせん状に滑り降りる。

列車が大規模地震や長時間の停電などにより駅間で走行不能となった場合、別の列車(救援列車)を連結して近くの駅までけん引したり、あるいは乗客を救援列車に乗り移させて救出する方法がある。救援列車を用意できない場合は乗客をその場で車外に出し、線路などを歩かせる。

しかし、地上から高い位置に幅の狭い軌道桁が設置されているモノレールでは、駅のホームがない場所で乗客を車外に出すことが実質不可能だ。駅間で走れなくなり救援列車も用意できない場合、消防用のはしご車やロープを使った緩降機で乗客を救出する。

大阪モノレールの車両には、以前から非常時の脱出用として緩降器が搭載されている。地上からの高さが15mの場合、現在の緩降器による降下速度は1.0m/sだが、新たに導入する脱出シューターは倍以上の2.0~2.5m/sに。降下の間隔も緩降器の15秒に対し脱出シューターは2秒と大幅に短縮される。救出能率は緩降器の約15倍という。

脱出シューターは4両編成のうち両端の先頭車2両に搭載される。本年度は5編成に搭載し、2021年度中に全ての編成への搭載が完了する予定だ。

《草町義和》

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. 「本当に世に出るとは」わずか1トンの車体に800馬力V12を搭載、「超アナログ」なスーパーカーにSNS沸く
  2. BMW『8シリーズ』初代オマージュの「エディション M ヘリテージ」登場、世界限定500台
  3. スズキの人気トールワゴン『ソリオ』開発責任者が語る、「顔だけじゃない」マイナーチェンジの真価
  4. ニックネームは“赤いコスモ”、50年前に登場した2代目ロータリースポーツ【懐かしのカーカタログ】
  5. ポルシェ『911』がオフロード車に! 独ルーフが『ロデオ』量産モデルを初公開
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 「AIディファインド」の衝撃、日本の自動車産業は新たな波に飲み込まれるのか…アクセンチュア シニア・マネジャー 藤本雄一郎氏[インタビュー]
  2. EV充電インフラ-停滞する世界と“異常値”を示す日本…富士経済 山田賢司氏[インタビュー]
  3. ステランティスの水素事業撤退、シンビオに深刻な影響…フォルヴィアとミシュランが懸念表明
  4. SUBARUの次世代アイサイト、画像認識技術と最新AI技術融合へ…開発にHPEサーバー導入
  5. 「ハンズオフ」は本当に必要なのか? 高速での手離し運転を実現したホンダ『アコード』を試乗して感じた「意識の変化」
ランキングをもっと見る