【ルマン24時間】初優勝へ向け昨年の雪辱期すトヨタ、今年の“標語”は「あの悔しさはすべて、伏線だ」

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今年のルマン24時間に臨むトヨタのキービジュアル。
今年のルマン24時間に臨むトヨタのキービジュアル。 全 8 枚 拡大写真

19日、トヨタ(トヨタGAZOOレーシング)が来月のルマン24時間レースに向けてのメディア説明会を都内で実施。初優勝を目前にして残り3分で敗れた昨年の雪辱を期し、「あの悔しさはすべて、伏線だ」を標語とする今年のキービジュアルを公開するなどした。

昨年、それまでに総合2位が4度というルマンに向け、「トヨタよ、敗者のままでいいのか」という刺激的な“標語”を使ったメディア展開を敢行したトヨタ。レースではついに総合初優勝達成かと思われたが、残り3分ほどのところで首位を走る中嶋一貴組のマシンにトラブルが発生、またしても悲願は叶わなかった(優勝はポルシェ、小林可夢偉組がトヨタ通算5回目の総合2位に)。

それを受けての今年、世界耐久選手権(WEC)で開幕2連勝して臨むルマン(WEC第3戦でもある)に向けてのキービジュアルと標語が発表された。

「あの悔しさはすべて、伏線だ」

これは今年2月、中嶋一貴がレスポンスのインタビューに答えるなかで語っていた内容(下記)とほぼ一致する。

「去年は『あんなことが起きるものなんですね』という感じでしたけど、そこのところのストーリーには、もちろん勝ったら参戦終了という意味ではないですが、しっかりと“ハッピーエンド”をつけてあげないといけないと思っています。去年はストーリーの始まりというか、それこそ30年くらい前からトヨタとしての(ルマン挑戦の)ストーリーは始まっていたわけで、ここで1回いいオチ(区切り)をつけて、気持ち良く次の章に進めるようにしたいですね」

トヨタのGR(GAZOO Racing)統括部長・北澤重久氏は今年の標語発表にあたり、昨年の逸勝に際してはライバルのポルシェを始めとする欧州のレース界や自動車業界からトヨタのスピードへの賞賛と再起への激励が多数あったこと、そして友情の構築もあった旨を語った。

そうした得難い経験を受けて、今年こその初優勝を目指しチーム一丸となって臨んでいることはもちろん、「もっと多くの人にモータースポーツに興味をもっていただき、レースを見て応援していただきたいと思います」とも北澤氏は語っている。モータースポーツのより深い文化的定着を志すトヨタ、素晴らしい戦いの興奮と感動をより多くの人とともに、というところだ。

その目的を叶える一助として、今年はトヨタGAZOOレーシングの公式サイトでスタート時4時間(レース3時間)とゴールに向けての10時間(レース9時間)を無料Webライブ配信することが決まった。「現地(フランス)に行ける方は決して多くないので、こういったかたちで多くの人に見てもらって、レース、そしてクルマって楽しいものだと感じていただければ」との旨も北澤氏は語っている。

参戦車、LMP1-Hマシンの「TS050ハイブリッド」の開発リーダーである村田久武氏は「本当にすべてやりきったのか、ということを(これまで以上に)徹底してやっています。レースですから相手がいますし、相手のことはわかりませんけど、今季ここまで、自分たちのマイルストーンとすることは確実に達成してこれています」と語り、雪辱への思いの強さをにじませた。

今年のルマン24時間レースは6月17~18日決勝(スタート/ゴールは日本時間22時)。トヨタは通常のWECより1台増しの3台体制で、まさに必勝を期しての臨戦となる。

《遠藤俊幸》

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