「理想の形につぶれた」スバル XV 新型、高い衝突安全性を動画で見る

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轟音と共に新型XVが時速64km/hでオフセット衝突した瞬間
轟音と共に新型XVが時速64km/hでオフセット衝突した瞬間 全 19 枚 拡大写真

スバルは国土交通省などが実施している衝突安全性能評価で新型『XV』が最高評価を得たことを機に、その実力を群馬製作所本工場(群馬県太田市)の衝突試験を報道陣に公開。自動ブレーキ等の運転支援システム「アイサイト」と共に「スバル=安全」と印象づける格好の機会となった。その様子を写真と動画で紹介する。

◆新型XVの高い衝突安全性能

その瞬間、群馬製作所の試験場内に「ガシャーン!」という音が鳴り響いた。車体の前方の幅40%を障害物にぶつける「オフセット前突試験」で、登場してもない新型XVが後輪をわずかに浮かせて跳ね返った。速度は64km/hであったため、その間はわずか0.03秒。ほんの一瞬の出来事だった。

周辺を整理された後、前方が激しくつぶれた新型XVに近づくと、車内のエアバッグが開いているが、ガラスは割れず、運転席のドアの開閉も問題なくできていた。エアバッグも即座に開いたことによってダミー人形の安全も確保されている様子だった。これはフロントで衝撃を十分吸収できている証拠。これを見て担当者は「理想の形で、予想通りにつぶれた」と解説する。

衝突安全性能評価はこのつぶれ方だけでなく、乗員や歩行者の保護性能などを点数化することで決定される。2013年度にクラウンが最高得点を獲得したが、それ以来3年ぶりに『インプレッサ』がその特典を更新し、王座を奪取したのだ。その最も大きなファクターで「理想の形」として再現できたというわけだ。


◆「どんな環境でも正しく開く」歩行者保護エアバッグ

またこの日の試験では、インプレッサが国産車として初めて搭載した「歩行者保護エアバッグ」が開く様子なども公開した。雪に見立てた発泡スチールを歩行者保護エアバッグ付近にため込んだ状態でもエアバッグは正常に動作。一方でショッピングカートにクルマがぶつかっても、推進20cmの水壕にクルマが突っ込んでも同エアバッグが開くことはなかった。

担当者によれば、「(この歩行者保護エアバッグは)必要なときに降雪や温度変化などに影響されず、どんな外部環境下であっても正常に作動する。しかし、小動物やショッピングカートが当たっても開かない」仕掛けがこれを実現しているというわけだ。

この歩行者保護エアバッグについて、ボルボ車はエアバッグが開く際にボンネットを傾けて対応しているが、スバルではそれをせずに動作させている。その違いについて担当者は、「それをするとボンネットを開くための火薬も組み込む必要があり、当然コストも上がる。少しでもコストを下げながら安全目標を達成することで普及を促進させたい。そのために、エアバッグが動作する専用の細いスリットを開発して対応いる」と話した。

スバルはこれまでアイサイトの普及により、1万台あたりの事故発生件数という指標で比較すると一般事故は61%減少し、追突事故に限れば84%も減少できたとする。その一方で歩行中の死亡事故は思うような低減ができていない。歩行者保護エアバッグはこの分野での効果が期待されているのだ。

《会田肇》

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