【カーオーディオ “取り付け”至上主義】スピーカー・インストールの奥義 その5

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拡散材の1例。
拡散材の1例。 全 1 枚 拡大写真

カーオーディオの音を良くしようと思ったら、「いかにして取り付けるか」、ここがキーポイントの1つとなる。高級な製品を使おうとも、取り付け方が粗雑だったら、“宝の持ち腐れ”となりかねないのだ。当コーナーでは、そのノウハウを1つ1つを解説している。

最初は、ドアに取り付けるスピーカー回りのことについて考察している。その第5回目となる今回は、“背圧”について考えていく。

さてここまでは、スピーカーの裏側から出てくる音を「ドア内部に閉じ込めるべき」であることと、その音によって「鉄板が共振するのを防ぐ必要性」について解説してきた。今回のテーマである“背圧”も、スピーカーの裏側から発せられる音に関係したワードである。というかむしろ、そのもの、のことを指している。裏側から発せられた瞬間の音エネルギーのことを、カーオーディオの世界では“背圧”と呼んでいるのだ。

裏側から放たれた瞬間の音にどう対処するかは、スピーカーの性能を100%発揮させようと思ったとき、非常に重要なテーマとなる。ではどうすべきなのかというと…。

裏側から放たれる音に対処しようとするときのポイントはズバリ、「上手く逃がすこと」にある。

もっとも避けるべきは、跳ね返ってスピーカーに戻っていくことだ。“背圧”がスピーカーに戻っていくと、振動板の動きにストレスを与えてしまうのだ。スピーカーには伸び伸びと仕事をさせたいのだ。

というわけで具体的には、スピーカーの裏面には吸音材が貼られたり、拡散材が貼られたりしている。“背圧”を受け止めたり、散らしたりして、スピーカーに跳ね返るのを防ごうとするのだ。

ただしこの塩梅は、実はなかなかに難しい。吸い取り過ぎると響きを取り過ぎてしまうことにもなりかねい。ドアの内部で音を変化させ過ぎると、表側の音色にも変化が出てしまう。スピーカーの表側と裏側では、常に同じ音が鳴っている。同じ振動板から発せられるからである。なので裏側の音の響き方に変化が生じると、表側の音にも変化が現れることとなる。

というわけで、“背圧”をどう処理するかは、お店ごとでの腕の見せどころの1つともなっている。

今週は以上だ。次週もさらに深いところに踏み込んでいく。お楽しみに。

【カーオーディオ “取り付け”至上主義!】第1章 スピーカー・インストールの奥義 その5

《太田祥三》

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