【ダイハツ ミライース 試乗】“愚直な開発”が花開いた…諸星陽一

試乗記 国産車
ダイハツ ミライース
ダイハツ ミライース 全 12 枚 拡大写真

第3のエコカーとして2011年に登場した『ミライース』がフルモデルチェンジ。2代目に移行した。

新型ミライースの燃費は先代モデル同様の35.2km/リットル。これは最近のモデルチェンジとしては非常に珍しいこと。商品性を高めるためにも燃費を向上してアピールするのは当たり前のこととなっているからだ。では性能がアップしていないのかと言えば、そうではない。

新しいミライースはボディを80kgも軽量化、空力性能の向上や各種フリクションの低減なども行っている。とにかく愚直にベーシックな手法でクルマをよくした。ここまですれば、普通は燃費がよくなるものだが、ミライースは軽量化などで得た余裕を燃費ではなく走行性に振り分けた。つまり、燃費競争には乗ることをやめたということだ。

その効果は乗ってみると明確に感じることができる。発進時、アクセルを軽く踏み込んだときの加速感がカッチリしている。クルマ全体の作り込みがしっかりしていてスキがない。わずか49馬力のエンジンにCVTの組み合わせのパワーユニットだが、非力さを感じることはない。さすがに速いという印象ではないが期待を裏切らない、期待どおりの加速を得られる。

じつはこの試乗は男3名の同乗だった。せっかくの80kg軽量化は助手席と後席に乗った同乗者によって帳消しにされているわけだが、そんなことをみじんも感じさせない底力を持っている。これが一般道だけでなく、高速道路でも十分な性能を味わえるのだからちょっとびっくりである。

さらに乗り心地も十分に確保されている。どの席でも乗り心地は十分だが、とくに後席は軽自動車のレベルを超えているイメージ。後席を分割可倒にせず、大きなシートで荷重を受け止めていることが功を奏しているのだろう。ただし、タイヤ空気圧が260kPaと高めなので、ザラザラした乗り味が残っている部分がもったいない。

ハンドリングはごく普通だが、とくに不満はないレベル。ただ極低速時の電動パワステのアシスト量が強すぎ、ステアリング操作が軽くなりすぎてしまう部分がちょっと気になった。中速時以上のアシスト量がちょうどいいだけにこの部分には若干の改善を求める。

■5つ星評価
パッケージング:★★★★★
インテリア/居住性:★★★★★
パワーソース:★★★★★
フットワーク:★★★★★
オススメ度:★★★★★

諸星陽一|モータージャーナリスト
自動車雑誌の編集部員を経て、23歳でフリーランスのジャーナリストとなる。20歳代後半からは、富士フレッシュマンレースなどに7年間参戦。サーキットでは写真撮影も行う、フォトジャーナリストとして活動中。趣味は料理。

《諸星陽一》

諸星陽一

自動車雑誌の編集部員を経て、23歳でフリーランスのジャーナリストとなる。20歳代後半からは、富士フレッシュマンレースなどに7年間参戦。サーキットでは写真撮影も行う、フォトジャーナリストとして活動中。趣味は料理。

+ 続きを読む

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. ホンダ N-BOX など7車種1万2653台リコール…過去の改善措置が不適切
  2. トヨタ RAV4 新型の価格は390万~630万円と予想…電動グレード体系に再編
  3. スズキ『ジムニー』、フランス最終モデルは55台限り…6月末に発売へ
  4. BEVを2年間所有した、“リアルな”ランニングコストを大公開
  5. メルセデスの名車「190E エボ2」が復刻! 限定100台の「HWA EVO」にハンコック純正装着
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 茨城県内4エリアでBYDの大型EVバス「K8 2.0」が運行開始
  2. 三菱が次世代SUVを初公開、『DSTコンセプト』市販版は年内デビューへ
  3. アステモの軽EV用インホイールモーターやジヤトコの2モーターK12マーチなど、国内サプライヤー技術が熱い!…人とくるまのテクノロジー展2025
  4. BYD、認定中古車にも「10年30万km」バッテリーSoH保証適用
  5. コンチネンタル、EVモーター用の新センサー技術開発…精密な温度測定可能に
ランキングをもっと見る