料金収入増えたが、メンテコストも増---5期ぶりの減収減益の中日本高速

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中日本高速・宮池克人社長
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中日本高速(宮池克人社)の2017年3月期の決算は会社設立2回目、5期ぶりの減収減益となった。

営業収益は9075億円(3927億円減)。その内訳は料金収入の6649億円と、高速道路を作り、それを資産として高速道路機構に引き渡した収入「道路資産完成高等」の1764億円。そのほかサービスエリアなど休憩所事業などの関連事業で661億円。

営業収益から営業費用を差し引いた純利益は112億円で前期比33億円の増益だったが、厚生年金基金の代行返上に伴う法人税等調整額68億円を除くと、当期43億円(35億円減)となった。

料金収入が前年同期より74億円増の6649億円となったのは、新東名の開通効果により交通量が増加したこと。16年度の全車両の通行量は1日194万台と15年度より3万台増えている。走行台kmの増減率では料金区分でいう中型車・大型車・特大車で2.4%と伸びが大きかった。軽自動車・普通車は0.8%だった。

営業収益の主な押し下げ要因は、17年3月期に完成して高速道路機構に引き渡した道路「道路資産完成高等」の収入1764億円より、前期に開通した新東名(浜松いなさJCT~豊田東JCT)を引き渡した「道路資産完成高等」の収入のほうがはるかに大きかったため。前年同期比で4157億円の減収となった。

営業費用総額は8400億円。高速道路会社が機構から借り受けた道路の賃借料が4794億円だった。前期より1億円減っている。この賃貸料は、高速道路建設債務の返済に回る。

また、同社が17年3月期に建設した高速道路のコストは「道路資産完成原価」として、道路資産完成高等と同額の1764億円を計上した。この支出も前期と比較すると、新東名の分だけ減った。

道路のメンテナンスなどの管理費用等は1848億円。前期より133億円増加した。道路の補修など維持修繕費用の増加や労務単価の高騰が影響した。

営業利益63億円の内訳は、高速道路事業などで14億円、サービスエリアなど休憩所事業などの関連事業で49億円。高速道路事業は維持修繕費用の増加が料金収入を圧迫する。関連事業では、新東名NEOPASA(ネオパーサ)岡崎と長篠設楽原PAの通年化で増収があったが、退職金費用の増加などで前期より減益となり、2つの事業で前期比29億円の減益となった。

2017年度の計画では、高速道路事業で9億円、関連事業で41億円の営業利益を計上する見込みで、当期純利益は189億円を見込む。純利益は、厚生年金基金代行返上益の223億円を特別利益として計上するため増益となる見込みだ。

《中島みなみ》

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