ホンダ、中国向けEVの基幹部品は現地調達…バッテリーなど

自動車 ビジネス 企業動向
ホンダ中国本部長の水野執行役員
ホンダ中国本部長の水野執行役員 全 3 枚 拡大写真

ホンダは2018年に中国市場に初投入する電気自動車(EV)のバッテリーとモーターの基幹部品について、中国で現地調達する方針を決めた。コスト面で優位となるほか、バッテリーについては政府が指定する中国製品の採用によって搭載車への補助金も支給されるからだ。

中国製部品の採用計画などは、6月9日までに中国・広州市で日本のメディア向けに行った工場視察会などで、ホンダの中国本部長である水野泰秀執行役員や中国法人幹部らが明らかにした。ホンダが計画しているEVは中国向け専用モデルとして開発を進めており、生産・販売は中国合弁の広汽本田(広州市)と、東風本田(武漢市)が行う。

基幹部品を中国製品にする狙いについて水野本部長は「コストの利点が一番大きい」と指摘した。このため、EV向けだけでなく16年春に現地生産を始めた『アコードハイブリッド』のバッテリーについても「今後現地調達に切り替えていく」という。EV向けバッテリーについては政府の指定製品の採用によって、車両のユーザーに補助金が支給される制度もあり、すでに中国の地元資本メーカーなどがこのスキームを活用している。

モーターについても現地調達を進める。ホンダは今年、日立オートモティブシステムズと電動車両用のモーター事業を行う共同出資会社の設立で合意した。この会社は中国での生産・販売も手掛ける方針であり、有力な調達先となる。ただ、18年に市場投入するEV向けには「当初からの採用は難しい」(広気汽本田の佐藤利彦総経理)と見ている。

中国政府は、環境対策や自国の自動車産業の競争力を高める狙いからEVやプラグインハイブリッド車(PHV)、さらに燃料電池車(FCV)を新エネルギー車として普及させる方針を打ち出している。このため、一定の販売量をもつ自動車メーカーには、ペナルティ付きで一定の新エネ車の販売を義務付ける「NEV法」を、早ければ18年にも導入する検討を進めている。大手中国合弁メーカーを運営する日本や欧米の自動車メーカーには、新エネ車の導入が急務となってくる。

協力:ホンダ(施設視察)

《池原照雄》

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. トヨタ RAV4 新型の価格は390万~630万円と予想…電動グレード体系に再編
  2. スズキ『ジムニー』、フランス最終モデルは55台限り…6月末に発売へ
  3. ホンダ N-BOX など7車種1万2653台リコール…過去の改善措置が不適切
  4. メルセデスの名車「190E エボ2」が復刻! 限定100台の「HWA EVO」にハンコック純正装着
  5. フランス最後の『ジムニー』はレトロ感マシマシな限定デザインが魅力[詳細画像]
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 茨城県内4エリアでBYDの大型EVバス「K8 2.0」が運行開始
  2. 三菱が次世代SUVを初公開、『DSTコンセプト』市販版は年内デビューへ
  3. 低速の自動運転遠隔サポートシステム、日本主導で国際規格が世界初制定
  4. コンチネンタル、EVモーター用の新センサー技術開発…精密な温度測定可能に
  5. 中国EV「XPENG」、電動SUV2車種を改良…新電池は12分で80%充電可能
ランキングをもっと見る