【ダイハツ ミライース 試乗】真打ちは「ミラ」なのか、DNGAの“次”に期待…中村孝仁

試乗記 国産車
ダイハツ ミライース
ダイハツ ミライース 全 20 枚 拡大写真

ダイハツ『ミライース』が新しくなった。とはいってもこれ、現実的なフルチェンジのモデルではないような気がする。コンセプトにもある「超深化エコ&スマート」というワードがそれを物語っている。

【画像全20枚】

キャッチにも書いたDNGAとは、「ダイハツ・ニュー・グローバル・アーキテクチャ」の略。だから、てっきり新開発のプラットフォームを用いているのかと思いきや、実は完全なニューではないという。そして、試乗会当日手渡されたプレス資料の冒頭に、以下のような文言が…

「今後は新型ミライースで確立したDNGAの原点に基づき、DNGA第一弾となる新プラットフォームを搭載した軽自動車を投入、さらに小型車やグローバルへの展開を目指してまいります」

つまり、これは言ってみれば予備弾のような存在で、ホントのDNGAは次に控える新しい軽自動車、と読み取れるわけで、まだダイハツの真打ちは出てきていないわけである。最大のライバル、スズキ『アルト』に対し、車両重量の面では一気に旧型ミライースに対しておよそ80kgの軽量化を達成し、最軽量モデルで650kgにダイエットしてきた。しかし、最軽量610kgのアルトにはまだ届かない。勿論軽くすりゃいい、というわけではないが燃費にしても車重にしても、ライバルに及ばない新型を出して満足するようなダイハツなわけはない…。そう思っていたから、プレス資料の文言を見て今回のミライースは言わば前座だったのか…と思った次第である。

とりわけ、デザインに関してはほとんど手直し程度の変化しかない。敢えて意地悪に、エンジニアに「フロントマスク、ずいぶん醤油顔で、主張に乏しいですね」と振ってみると、苦笑いしながら「ダイハツのお客さんは地味好みです」と答えてくれた。これが本当の答えではないことは重々承知している。ここまで変化に乏しいと、果たしてこれを新型として既存ユーザーが買い替えるのか?という疑問符もつくほどだった。

エンジン、トランスミッションのドライブトレインは基本的に旧型を踏襲。勿論そのままではなくて手直しをしてブラッシュアップされてはいるが、それによる大きな性能向上はなく、メカニズムで最大の変化といえば「スマートアシストIII」、つまり「スマアシ3」が採用されている点である。残念ながらこいつを試すというわけにもいかず、装備されていますというだけに留める。

走りはどうか。ダイハツの説明によれば、アクセル開度に対してリニアな駆動力を出せるように最適化して中だるみを解消したとされているが、そのあたりの明確な違いは判らない。足回りには軽初となる、超飽和バルブなるバルブを採用してサスペンションの収縮をコントロールしているそうだが、これも旧型と乗り比べをしてみたわけではないので、それによる変化というのはわからずじまいであった。

ただ、新型ミライースの名誉のために話しておくが、このクルマ。費用対効果という点ではまさに優等生。最上級の試乗車 G”SA III” というグレードでも、FWD車で120万9600円。勿論スマアシは標準装備である。エンジンは49ps、57Nmという何とも心細いパフォーマンスしか持ち合わせていないが、急ぐ旅ではないからと気持ちを切り替えれば、これで十分だと思える。高速だって普段真ん中、時々追い越し車線という気持ちなら、不都合は感じられない。ただし、軽自動車の高速道路最高速度が100km/hに引き上げられているにもかかわらず、95km/h前後になると「速度に注意してください」というクルマからの語り掛けがあるのには“うざい”と感じた。それから、100km/hで巡行しようと思うと、メーター内のコンピューターがはじき出す平均燃費は落ち気味になる。やはり80km/hがいいようだ。

高速での乗り心地は予想外にフラット。一方で一般道は比較的大きめの突き上げ感があって、大きな波状路は苦手のようだ。やはり真打ちは次に登場するであろう「ミラ」、なのだろうか。

■5つ星評価
パッケージング:★★★★
インテリア居住性:★★★★
パワーソース:★★★
フットワーク:★★★
おすすめ度 :★★★★

中村孝仁(なかむらたかひと)AJAJ会員
1952年生まれ、4歳にしてモーターマガジンの誌面を飾るクルマ好き。その後スーパーカーショップのバイトに始まり、ノバエンジニアリングの丁稚メカを経験し、その後ドイツでクルマ修行。1977年にジャーナリズム業界に入り、以来39年間、フリージャーナリストとして活動を続けている。

《中村 孝仁》

中村 孝仁

中村孝仁(なかむらたかひと)|AJAJ会員 1952年生まれ、4歳にしてモーターマガジンの誌面を飾るクルマ好き。その後スーパーカーショップのバイトに始まり、ノバエンジニアリングの丁稚メカを経験し、さらにドイツでクルマ修行。1977年にジャーナリズム業界に入り、以来45年間、フリージャーナリストとして活動を続けている。また、現在は企業やシニア向け運転講習の会社、ショーファデプト代表取締役も務める。

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