ホンダ 八郷社長「走ればホンダと分かるスポーティなクルマに」…2018年に中国初投入のEV

自動車 ビジネス 海外マーケット
ホンダ 八郷隆弘社長
ホンダ 八郷隆弘社長 全 6 枚 拡大写真

ホンダの八郷隆弘社長は6月16日、都内の本社でメディア各社の共同取材に応じ、2018年に中国市場に初投入する電気自動車(EV)について「乗って走れば、すぐにホンダと分かるようなスポーティなEVを作ってほしいと(現地企業に)伝えている」と述べた。

ホンダは今夏からは米国、18年は中国へとそれぞれ異なるEVを投入、両国での環境規制強化に対応して電動化を推進していく。中国向けのEVはホンダの研究開発子会社である本田技研科技(広東省広州市)と、合弁会社の広汽本田(同)および東風本田(湖北省武漢市)の3社が主体となって開発を進めている。

八郷社長はEVの技術要素について「航続距離はほぼバッテリーで、また出力はモーターで決まる」と指摘、これらは専門メーカーから調達する方針のため「あとは制御であり、そこがわれわれの力を発揮するコアとなる」と語った。そのうえで、車両としてのパッケージングは、居住空間確保で新機軸を打ち出した、初代のシビックやフィットなどを引き合いに出し、この面でもホンダらしさを追求する考えを示した。

同社の中国新車販売は16年まで4年連続で最高を更新し、今年1~5月も前年同期を2割上回る好調を続けている。八郷社長はその背景について「新モデルをかなり仕込んできたので、これくらいは伸びないと、という思いはある。途中で足踏みすることもあったが、自分たちの思い描いた状況になっている」と、評価した。

また、12年当時までの低迷から脱する大きな転機は、14年の『ヴェゼル』と『XR-V』による「兄弟車戦略の導入」とし、「(開発の)効率が高まり、合弁2社のモデルのすみ分けもできたことが大きい」と指摘した。現在、ホンダの中国2社は大型SUVも含み計4モデルの兄弟車を展開しており、いずれも販売成果をあげている。

ホンダは、今年の中国販売については130万台(前年比4%増)を若干上まわる水準をめざしている。合弁2社ではフル生産が続いているが、能力増は19年前半の稼働予定となっている東風本田の第3工場(年12万台)の完成待ちの状況。このため、八郷社長は「われわれの生産能力をしっかり使っていくが、ここで余り台数を追って販売や生産の質が悪くならないようにしたい。いまの台数を維持しながらより良いものを作っていきたい」と述べ、18年までは「質重視」で臨む方針を表明した。

一方、欠陥エアバッグによる経営悪化で、民事再生法の適用申請の検討が16日に一部で報じられたタカタの経営再建問題については、「詳しい内容を把握しておらずコメントは差し控えたい」としたうえで、「部品の供給をしっかりやっていけるよう、それを最優先で考えてもらいたい」と述べた。

《池原照雄》

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

アクセスランキング

  1. マツダ、電動セダン『EZ-6』世界初公開、24年発売へ SUVコンセプトも…北京モーターショー2024
  2. 多胡運輸が破産、首都高のローリー火災事故で損害賠償32億円
  3. 【ホンダ ヴェゼル 改良新型】開発責任者に聞いた、改良に求められた「バリュー」と「世界観」とは
  4. 郵便局の集配車が「赤く蘇る」、KeePerが8000台を施工
  5. Sズキが電動マッサージ器を「魔改造」、25mドラッグレースに挑戦!!
  6. ノンジャンル220台のマニアック車が集合…第15回自美研ミーティング
  7. ホンダ『ヴェゼル』マイナーチェンジで3グレードに集約、納期改善へ…「HuNT」「PLaY」新設定で個性強調
  8. メルセデスベンツ『Gクラス』にEV誕生、4モーターで587馬力…北京モーターショー2024
  9. 見逃せない! ホイールのブレーキダスト除去術 ~Weeklyメンテナンス~
  10. MINIに新種『エースマン』登場、航続406kmのEV…北京モーターショー2024
ランキングをもっと見る