6月21日から開催されるG7交通大臣会合に、日本は自動運転のレベル3、レベル4技術の実用化に向けて、国際的な協力を目指すことを提案する。
石井国土交通相を始め、関係者20人がイタリアを訪問。22日の本会議で、自動運転の車両安全技術の議論を主導することを目指す。
昨年の軽井沢G7交通大臣会合では、日本が議長国となり、自動運転車のサイバーセキュリティについて、不正アクセス防止のガイドライン整備の必要性を各国で共有した。その後11月に開催された国連のWP29(自動車基準調和世界フォーラム)で、日本とドイツが提案したセキュリティガイドラインが合意され、今年3月に成立している。
このほかにも6月19~25日に開催される国連欧州経済委員会(ECE)の下に設置された自動車基準調和世界フォーラム(WP29)の自動運転分科会で、日本は英国と共同で議長を務める。有人でのレベル3以上の安全基準作りの検討を開始し、セキュリティガイドラインの具体的要件を引き続き検討する予定だ。
さらに11月に新設予定のWP29の下部組織「自動ブレーキ専門家会議」で、日本はEUと共同で議長を務め、乗用車の自動ブレーキの基準策定に臨む。議長として議論を主導する。
車線変更などのレベル2での機能は市場化が始まりつつある。この国際基準の策定を早期に終えて、レベル3以上の自動運転に関する基準作りをリードしたいと考える。
また、WP29の「自動操舵専門家会議」では、現状の国際基準で禁止されている10km/h以上でのハンドル操作について、10km/h以上で決着する見込みだ。自動車線維持については、今年3月成立、同10月に発効予定だ。また自走車線変更については今年9月に草案合意、来年3月成立、同10月に発効を目指す。今後の議論は、ハンドルから手を離した状態での自動ハンドル操作がテーマになる。