【KTM 1290 スーパーデュークR 試乗】凄まじいパワーをスタイリッシュな車体で気持ちよく楽しめる…青木タカオ

モーターサイクル 新型車
2017年式 KTM 1290 SUPER DUKE R
2017年式 KTM 1290 SUPER DUKE R 全 30 枚 拡大写真
スタイリングが示すとおり走りも過激だが、サーキットでの試乗であったからなのか、意外にもアクセルをどんどん開けていけ、獰猛すぎて手に負えないというわけでは決してない。

足まわりとエンジンのバランスがよく、軽快なハンドリングと、75度Vツインがもたらす最高出力177psのハイパワーを気持ちよく楽しめるのだ。

もちろんパワーは凄まじく、淡々と流しているだけで公道ではあり得ないハイスピードレンジに達してしまう。この強力なエンジンを市街地や荒れた路面で手懐けるのは容易ではないはずだが、ライドモードで「レイン」を選べば最高出力を130psにセーブし穏やかで扱いやすい。ライドモードは大いに役立つ。

スロットルレスポンスがよりシャープになったとともに伸びやかな回転フィーリングを得ているのは、新作の鍛造ピストンをはじめ、窒化クロムPVD処理のチタン製インテークバルブや厚さを3mm増したクランクシャフトコーンの採用によるもので、レゾネーターチャンバーの改良や吸気ファンネルの短縮化もこれに寄与している。

ボッシュ製の電子制御ユニットはアップデートされ、リーンアングルセンサーやコーナリングABSによって旋回時の安全性を向上。トラクションコントロールもライドモード同様に「スポーツ」「ストリート」「レイン」が選べ、さらに介入ゼロのオフにもできる。

ハードなライディングを実現する前後サスペンションは、強力なエンジンパワーに相応しいコシのある足まわりだが、滑らかにストロークし路面追従性に優れる点も言っておきたい。

スタイリングも刷新され、6つのLEDから構成されるヘッドライトが野獣のようなフロントマスクを演出。サイドフェアリングも前方に伸び、テールセクションはスリムでより跳ね上がったスタイルとなった。

そのルックス同様、アグレシッブな走りが新型『1290 SUPER DUKE R』の大きな魅力だ。

■5つ星評価
パワーソース:★★★★★
フットワーク:★★★★
コンフォート:★★★★
足着き:★★★
オススメ度:★★★★

青木タカオ|モーターサイクルジャーナリスト
バイク専門誌編集部員を経て、二輪ジャーナリストに転身。国内外のバイクカルチャーに精通しており、取材経験はアメリカやヨーロッパはもちろん、アフリカや東南アジアにまで及ぶ。自らのMXレース活動や豊富な海外ツーリングで得たノウハウをもとに、独自の視点でオートバイを解説。現在、多数のバイク専門誌、一般総合誌、WEBメディアで執筆中。バイク関連著書もある。

《青木タカオ》

モーターサイクルジャーナリスト 青木タカオ

バイク専門誌編集部員を経て、二輪ジャーナリストに転身。多くの専門誌への試乗インプレッション寄稿で得た経験をもとにした独自の視点とともに、ビギナーの目線に絶えず立ち返ってわかりやすく解説。休日にバイクを楽しむ等身大のライダーそのものの感覚が幅広く支持され、現在多数のバイク専門誌、一般総合誌、WEBメディアで執筆中。バイク関連著書もある。

+ 続きを読む

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. スバル『レガシィ』生産終了、米工場から最終モデルがラインオフ…36年の歴史に幕
  2. 「本気の電動二輪が出てきた」ホンダ初のフルサイズEVバイク『WN7』発表にSNS沸く
  3. 「思ったよりだいぶ安い」トヨタ『GRヤリス』に新登場、エアロパフォーマンスパッケージに絶賛の声
  4. ヤマハの3輪スクーター『トリシティ』が進化! SNSでの注目は「デザイン」と「屋根が付くか」
  5. 日産『マイクラ』新型、全車EVで約320万円から…英国で予約開始
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 「AIディファインド」の衝撃、日本の自動車産業は新たな波に飲み込まれるのか…アクセンチュア シニア・マネジャー 藤本雄一郎氏[インタビュー]
  2. EV充電インフラ-停滞する世界と“異常値”を示す日本…富士経済 山田賢司氏[インタビュー]
  3. ステランティスの水素事業撤退、シンビオに深刻な影響…フォルヴィアとミシュランが懸念表明
  4. SUBARUの次世代アイサイト、画像認識技術と最新AI技術融合へ…開発にHPEサーバー導入
  5. 「ハンズオフ」は本当に必要なのか? 高速での手離し運転を実現したホンダ『アコード』を試乗して感じた「意識の変化」
ランキングをもっと見る