【シトロエン グランドC4ピカソ 試乗】2人+柴犬1匹でも欲しくなる“理想の自家用車”…島崎七生人

試乗記 輸入車
シトロエン グランドC4ピカソ SHINE BlueHDi
シトロエン グランドC4ピカソ SHINE BlueHDi 全 10 枚 拡大写真

2人+柴犬1匹が乗れれば十分な我が家。しかし改めて7人乗り『グランドC4ピカソ』のディーゼルモデルと数日を過ごし、今までの印象「我が家とは無縁なクルマ…」が一転、「いいなぁ、欲しいなぁ」と思わせられた。

乗りやすく心地いい自家用車と再認識できたから、だ。とくに扱いやすさは今回、日常シーンの中で使って強く実感できた部分。“グランド”のボディサイズは全長4605mm×全幅1825mmで、数値だけ見るとコンパクトには思えない。

けれど実際は運転席(シートをやや高めにセットするとなおよい)からの視界と車両感覚の掴みやすさは、サイズ、ボディ形状から想像できないよさで、5.5mの最小回転半径の小ささ、ステアリング操作に対するクルマの自然な動きも手伝い、手狭な場所でも臆せず入っていけるほど。スーパーの駐車場もバックカメラ(画像がより高精細ならなおよい)を併用しながら、サクッと駐車を完了させられる。

乗り味のよさも、理想的な自家用車の条件を満たす。見ればタイヤの指定空気圧は多人数乗車のクルマらしく前/後=270/250kPaと高め。とはいえ実際はそれをいささかも感じさせないばかりか、シトロエンらしい(近年のプジョーの“らしさ”より、なお“らしい”)ホッコリとストロークしてくれるサスペンションが、速度を問わず常に懐の深い乗り味を味わわせてくれる。穏やかだが操作した通りにクルマが反応してくれるステアリングフィールとともに「ピカソ」ならではだ。

追加設定された2リットルディーゼルターボも十分だ。日頃、自宅の2気筒875ccで息を切らせながら登っている近所の坂も分厚いトルクで何なく登るし、高速道路の余裕、スムースさは本領発揮といったところ。いずれの場合もアクセルを踏む右足の操作に対し常に自然に反応を示してくれるのがいい(反面、日本仕様の多くのシトロエンのブレーキは踏み込んだ初期の効きがやや強め)。

音・振動は、車内/車外、走行中/アイドリング中など、一定の音と振動を感じるのは事実。とはいえ、本国のユーザーは昔からこういうディーゼルの自家用車を普通に乗りこなしてきたんだよな…と思えば、気にならない。指先でスリムなシフトレバーを倒し、走り出せば、日本のミニバンとは一線を画す、走ることの楽しさ、心地よさを身にしみて味わわせてくれる。

シートアレンジなどファンクションはもちろん多彩。けれど3列目シートの折り畳みなど手順はワンタッチだし操作力もいたって軽い。ブラインドスポットモニター、アクティブクルーズコントロール、レーンキープアシストや衝突回避支援ブレーキ、車間距離警告などの支援機能も搭載。乗ってそのよさを知ると、風景のアクセントにもなるスタイリングがよりチャーミングに思えてきた。

■5つ星評価
パッケージング:★★★★★
インテリア/居住性:★★★★★
パワーソース:★★★★★
フットワーク:★★★★★
オススメ度:★★★★★

島崎七生人|AJAJ会員/モータージャーナリスト
1958年・東京生まれ。大学卒業後、編集制作会社に9年余勤務。雑誌・単行本の編集/執筆/撮影を経験後、1991年よりフリーランスとして活動を開始。以来自動車専門誌ほか、ウェブなどで執筆活動を展開、現在に至る。 便宜上ジャーナリストを名乗るも、一般ユーザーの視点でクルマと接し、レポートするスタンスをとっている。

《島崎七生人》

島崎七生人

島崎七生人|AJAJ会員/モータージャーナリスト 1958年・東京生まれ。大学卒業後、編集制作会社に9年余勤務。雑誌・単行本の編集/執筆/撮影を経験後、1991年よりフリーランスとして活動を開始。以来自動車専門誌ほか、ウェブなどで執筆活動を展開、現在に至る。便宜上ジャーナリストを名乗るも、一般ユーザーの視点でクルマと接し、レポートするスタンスをとっている。

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