【再生可能エネ世界展示会2017】アンモニアを燃料電池に利用、ガスタービンで直接燃焼も…科学技術振興機構

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直接アンモニア燃料電池の発電の仕組み
直接アンモニア燃料電池の発電の仕組み 全 3 枚 拡大写真

再生可能エネルギー世界展示会の科学技術振興機構ブースには、様々なエネルギーキャリアについての研究成果がパネル展示されていた。これは文科省所管の国立研究開発法人である同機構が掲げる戦略的イノベーション創造プログラム10テーマのうちの一つで、産学官による水素キャリア技術の研究開発である。

たくさんのパネルを見てみると、FREA(福島再生可能エネルギー研究所)が実証実験中の、トルエンを使った水素キャリアによる水素ステーションの実用化というものもあったが、それよりもいくつものパネルで気が付いたのはアンモニアの利用による研究の多さだった。

アンモニアを水素キャリアとして用いて水素ステーションで分解して水素を取り出す技術、再生可能エネルギーでCO2フリーの水素を作り、大気中の窒素と合成してエコなアンモニアを作る技術などは、素人でも想像できる活用方法だ。だが、さらにユニークなのはアンモニアをそのまま燃料として利用する技術の研究だ。

アンモニアをSOFC(固体酸化物燃料電池)に直接供給して、空気中の酸素と反応させて発電させるアンモニア燃料電池などのほか、アンモニアを直接燃料とするガスタービンエンジンなども研究されている。レシプロエンジンでは熱量の少なさや金属への攻撃性の問題などがあって、実現は難しそうだが、ガスタービンであれば比較的実用化の可能性は高そうだ。

アンモニア燃料電池が実用化されれば、燃料電池車の実用性や安全性は大きく高まる。問題は充填時や稼働時に漏れるアンモニアの臭気だが、そんなものは燃料電池の開発と比べれば大きな障害とはならないだろう。

《高根英幸》

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