【ボルボ V90クロスカントリー 試乗】このバランス加減は、まさにクロスオーバー…岩貞るみこ

試乗記 輸入車
ボルボ V90 クロスカントリー
ボルボ V90 クロスカントリー 全 8 枚 拡大写真

パッケージングは、あえての★2つ。理由は、1905mmというその立派な横幅である。洗車していても、ボンネットの真ん中までスポンジを持つ手が届かない。この堂々たるサイズのワゴンを乗りこなすには、少しばかり勇気がいるというものだ。

ただ、そのぶん、車内で味わえるゆったり感は半端ない。当然だが広い。しかも居心地がいい。シートの座り心地もハンドルの手触りも、ただ座り触っているだけで、ほんわりと幸せな気分に包まれる。北欧デザインの質感高いインテリアでしつらえた広い空間ごと移動していくのは本当に贅沢なのである。ゆえに、インテリア/居住性は、★5つだ。

カーナビは画面が大きく、使い勝手も独特で面白いのだが、惜しいのは警察庁が一般道で提供している光ビーコン情報が、その地点を通過するたびに画面のど真ん中に割り込んでくることだ。内容(の使えなさ加減)については警察庁の問題なので、この際、★には影響しないのだが、せめて表示させるときに、ほかのメーカーのように画面の半分に出すなど少し調整してもらえたら、わずらわしさがなくなるのだが。

『V90』をアウトドアに仕立てたクロスカントリー。高さが1545mmに抑えられているのに、地面から腹までの最低地上高は210mmと、なんちゃってSUV(FFで、170mmくらいのものが多い)よりもしっかりと設けられていて、実はオフもおまかせな実力の持ち主である。

デザイン的にも、ボディのタイヤまわりに黒くガードがあしらわれ、泥がついても様になる懐の深さ。デザインが美しいV90に、ちょっとやんちゃさがプラスされ、親しみやすさがアップしている。

乗ったときの、サスの感じもゆったりとして心地いい。タイヤが凹凸に当たってもコツコツすることもなく、かといって、SUVのようにふわりとしたゆるさもない。まさに、高速とラフロードの両方のいいバランス加減で、まさにクロスオーバーである。

■ 5つ星評価
パッケージング:★★
インテリア/居住性:★★★★★
パワーソース:★★★★
フットワーク:★★★★
オススメ度:★★★

岩貞るみこ|モータージャーナリスト/作家
イタリア在住経験があり、グローバルなユーザー視点から行政に対し積極的に発言を行っている。主にコンパクトカーを中心に取材するほか、最近は ノンフィクション作家として子供たちに命の尊さを伝える活動を行っている。レスポンスでは、アラフィー女性ユーザー視点でのインプレを執筆。

《岩貞るみこ》

岩貞るみこ

岩貞るみこ|モータージャーナリスト/作家 イタリア在住経験があり、グローバルなユーザー視点から行政に対し積極的に発言を行っている。レスポンスでは、女性ユーザーの本音で語るインプレを執筆するほか、コラム『岩貞るみこの人道車医』を連載中。著書に「未来のクルマができるまで 世界初、水素で走る燃料電池自動車 MIRAI」「ハチ公物語」「命をつなげ!ドクターヘリ」ほか多数。2024年6月に最新刊「こちら、沖縄美ら海水族館 動物健康管理室。」を上梓(すべて講談社)。

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