ETCを利用した駐車料金の決済サービスはあるが、なかなか普及しない。中日本高速などが静岡市葵区の「新静岡セノバ駐車場」を実施場所に開始する試行運用は、今までと何が違うのか。
26日、中日本高速はETC2.0普及促進研究会に加盟する各社と共同で「ETC多目的利用サービスの拡大」に取り組むことを明らかにした。
ETCを使った今までの駐車場料金決済は、とても回り道をするシステムだった。まず利用希望者が自分の車載器のID番号を登録しないと使えない。駐車場はゲートで登録された車載器番号を確認し、事後にクレジットや口座引き落としで請求している。これでは車載器を搭載した車両でもすぐには利用はできない。駐車場も導入に及び腰だった。
今回は車載器ではなく、ETCカードそのもので決済ができるようにするための試行運用だ。クレジットカード契約者しかETCカードを持てないわけだから、利用者にとっては簡単に思えるが、ETCカードを決済に利用するためには、セキュリティ上の課題をいくつも乗り越えなければならない。無線通信中に情報を抜き取られる懸念もある。そのためクレジットカード会社の規約に、ETCカードは有料道路の決済にしか使えないことが明記されているのはそのためだ。
高速道路会社としては、こうした試行を積み重ねて、ETCカードを他の決済にも拡大することで、ETCカードの利用を、現在より飛躍的に増やすことが狙いだ。
今回の試行運用では150人のモニターを募集しているが、これはあくまで使用後のアンケート協力や、1回3時間分の駐車料金を無料にするモニター特典を付与するための登録だ。
また、ETC2.0普及促進研究会として沖電気などETC設備企業や、ソニーペーメントサービス、メイテツコムなどのクレジットに関連するシステム会社など6社が参加するが、車載器に依存しないため2.0車載器の利用者でなくてもモニターに応募できる。
募集期間は9月15日まで。LuLuCaパレットVISAカードのETCカードを持っていること、10月2日から約2か月間、実際に使うことが条件だ。