Clarionが最新鋭ナビで実現させた新たな価値、“Quad View(TM)”の技術の真髄に迫る!

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Clarionが最新鋭ナビで実現させた新たな価値、“Quad View(TM)”の技術の真髄に迫る!
Clarionが最新鋭ナビで実現させた新たな価値、“Quad View(TM)”の技術の真髄に迫る! 全 7 枚 拡大写真

Clarionが、AV一体型ナビの2017年モデルを発売開始した。そこには、斬新な見え方と使い心地が実現された“Quad View(TM)”(クワッドビュー)が搭載されている。この革新的な技術の凄さの真髄とは。そしてこれが生み出された背景にあるドラマとは…。

それを知るべく、開発に関わった10人の精鋭エンジニア&デザイナーへのインタビュー取材を敢行した。“Quad View(TM)”が搭載された最新鋭ナビ、『NXV977D』の誕生物語を、じっくりとご紹介していく。

■一枚のデザイン画から、プロジェクトは新たな方向へと動き出す…。

ところで、今回の新製品である『NXV977D』は、既存機の代替わりではなく、完全なる新型モデルと言っていい。なぜなら当機には、まったく新しいプラットフォームが採用されているからだ。それは単に新型ナビのために用意されたものではなく、Clarionの今後の車載機事業の幹となり得るものだという。『NXV977D』は、それが実装された、記念すべき“1号機”なのである。

この新プラットフォーム開発プロジェクトのコードネームは、“ARCUS(アルカス)”(以下、“ARCUS”)。そして、そのシンボルとなる新機能が、“Quad View(TM)”なのである。

早速インタビューの模様をお届けしていこう。まずは“Quad View(TM)”の技術の真髄が何かを知るべく、“ARCUS”が何をめざしたものなのかを聞いた。お答えいただいたのは、システムの基本部分の設計を担当した、アーキテクチャソリューション開発部の江崎実さんだ。

「実際に『NXV977D』の開発がスタートしたのは1年前なのですが、“ARCUS”は3年前に始まっています。プラットフォームを刷新するという概略が検討され始め、私はそのために当社に入社したんです。

“ARCUS”に参画し最初に手掛けた仕事は、「システムに“フレームワーク”を入れる」という作業でした。新プラットフォームには主に2つのコンセプトがあり、1つは「汎用性」、もう1つは「流用性」なのですが、“フレームワーク”とは、このコンセプトを実現させるための、システム上の“概念”みたいなものだとご理解ください。

なお、「汎用性」とは、OSが異なったりチップが違っていても、いろんなところで“動く”ということを意味しています。そして“流用性”とは、システムの中で“部品(ソフト、アプリ)”の付け外しが容易であることを意味しています。機能の“足す”、“引く”を、スムーズに行えるものにしたかったのです。

ちなみに、“フレームワーク”自体は、早い段階に出来上がっていました。しかし、日本国内向けの製品としてどう落とし込むかは、すぐにははっきりと定まらなかったんです。2年前の段階では、中国語商圏向けの製品に投入することから着手され、私は半年間の中国出張に赴きました。

その出張中に、1枚のペラ紙に描かれたデザイン画が、私の手元に届きました。それが“Quad View(TM)”のラフ案だったのです」

■新プラットフォームのポテンシャルの高さを、証明できる製品に。

そのデザイン画を作成したのは、今回お集まりいただいた開発陣の中での唯一の女性スタッフである、デザイン部・石黒朱里さん(画面デザイン担当)だ。

「私が“ARCUS””に加わったのは2年前なのですが、その時には、9型のナビゲーションを作るという方向性だけは決まっていて、「単に表示を大きくするだけではない、何か新しい可能性を探りなさい」というお題が課されていました。どうせなら、当社の持つナビ技術、オーディオ技術、そして『Smart Access(スマートアクセス)』の技術を活かせるものにしたいと考えて、それらを“同時に映し出し、情報提供・操作できる”、というアイデアが思い浮かびました。

すると、その案を江崎さんがすぐに、動きのあるものへと作り替えてくださいました」

(江崎さん)「私は以前ゲーム開発を手掛けていましたので、描画エンジンを開発するのが割と得意なんです。

その絵を見ながら、ああ4つに分けるんだな、そしてそれぞれが連動してこんな動きをするんだろうと、すぐにイメージでき、早速それを試作しました。中国で開発していた実機上で動かしてみたんです。

なお、新プラットフォームを作るにあたっては、「10年間使い続けられるものを」という命題がありました。もちろん同じものを使い続けるということではなく「10年間、進化し続けられるもの」という意味合いです。ただ、そこから出来上がる実際の製品が、今までと同じようなものであるなら意味がないと感じていて。新プラットフォームのポテンシャルの高さを証明できる製品に仕上げられて初めて、“ARCUS”が成就すると考えていたんです。

“Quad View(TM)”ならばそれを証明できると、デザイン画を見た時に感じました」

■“Quad View(TM)”のデモ機のインパクトが、皆の心を揺り動かす。

江崎さんはそこから改めて社内プレゼンテーション用にデモ機を作り、それは“ARCUS”のチーム内外に強烈なインパクトを与える。そしていよいよ1年前に、新製品『NXV977D』の開発がスタートする。

そのときの様子を、エンジニアでありつつ、プロジェクト全体のマネジメントにおいても重要な役回りを担った、アーキテクチャソリューション開発部の清家小太郎さんが、こう述懐した。

「江崎が製作した試作ソフトが、とにかく印象的だったんです。こういうものを作るんだ、というのが実に分かりやすくみんなの頭に入ってきた。

しかし、いざ作業に取りかかってみると、各人は想像以上に生みの苦しみを味わうことになりました。それを実現させるためには、何もかもを新規で作り直す必要があったからです」

オーディオ系のアプリケーション等の開発を担当した、ソフトウェア開発部の中井浄さんは、こう話す。

「“汎用性”と“流用性”の高い新しいプラットフォームを作る必要性を、多分、みんなが以前から感じていたと思うんです。いつかはやらなければいけないことだと。なので大号令がかかったときには、これはチャンスだからやろう、という気持ちが湧きました。そのモチベーションを支えたのは、“Quad View(TM)”のインパクトです」

■各担当者がそれぞれでベストを尽くした結果の集合体が『NXV977D』。

実際にはどのような苦労があったのかを、皆さまから完結に教えていただいた。

ハードウェア開発部 島田弘志さん。
「私は、筐体全体の構造設計を担当しました。今回は9型にするということで、その意味では我々にとってもゼロからの作業となりました。少しでも多くの車種に付けられるようにしたいと思いましたし、どのようなクルマに付けたいか、そのためにはどんなサイズに仕上げるべきかを、デザイナー、マーケティング、商品企画とも連携しながら、何度も試作を繰り返しました」

ハードウェア開発部 佐藤卓哉さん。
「ハードウェア全体のシステム設計および、CPU周りをメインに、回路設計、基板設計を担当しました。大画面化して解像度も上がり、データの流通量も増えますから、小さな基板にたくさんのパーツを収めなければならないことが、大きな課題となりました。しかし、限られた時間と厳しいコスト制限の中で、できることはやり尽くせたと思っています。やり甲斐は大きかったですね」

ハードウェア開発部 大津建幸さん。
「表示系、例えば映像信号の通信の部分や、バックライト等々の設計を担当しました。今回は工期も短く、その中でいつも以上に多くのパーツを検討する必要があり、作業を効率良く進めることに苦労しました。あと、画面が大きくなる分重くなりますから、部品点数をいかにして削るかも問題となりました。結果、表裏で実装していた基板を、片面実装にとどめることに成功しました」

ソフトウェア開発部 織田勇さん。
「ナビのアプリケーションの設計を担当しました。今まではナビやそれ以外が、それぞれ排他的(独自)に動いていたのですが、“Quad View(TM)”では、同時に動かすことになります。これが相当に難しかった。ナビ画面で地図を表現しているときに、右下ではネットから取ってきた情報を表現したり、新しいチャレンジの連続でしたね」

デザイン部 青山紀章さん。
「ユーザビリティに関する部分のデザインを担当しました。“Quad View(TM)”では、それぞれの機能が同時に動き、画面サイズも変えられるため、オーディオ操作の途中でナビを操作して、またオーディオ操作の続きに戻ったり、文字入力画面でボタンを押しやすくするため、画面を一時的に広げる、といった使い方もできるようになっています。これが完成できたのは、皆の苦労の賜物だと思っています」

デザイン部 勝野慶太さん。
「ハードデザインを担当しました。“Quad View(TM)”をどうやって目立たせるかが命題となりました。その一環でもあるのですが、ただインテリアにフィットさせるだけではだめで、ひと味を効かせたいと考え、照明には相当にこだわりました。本体のブラック部分はスモークになっていて、夜になるとぼわっとブルーに光ります。その光り方の度合い決めるのには特に、試行錯誤を繰り返しました」

なお、今回“ARCUS”に投入された面々は、各部門のエース級、とのことだ。同プロジェクトがClarionとしての一大事業だった、ということだろう。

■“汎用性”と“流用性”を武器に、多大に可能性が広がる。

さて、“ARCUS”および、“Quad View(TM)”には、今後どのような発展性が考えられるのか。

(清家さん)「新プラットフォームは今後も新陳代謝を繰り返しながら成長し、形になる製品も進化していくものと考えています。コンセプトの“汎用性”と“流用性”を武器に、新たな“部品(ソフト)”を増やし、“部品”自体の性能も上げていくつもりです。

“Quad View(TM)”も進化させていきたいですね。映し出したい情報を、出したい場所に自由にレイアウトすることが可能ですから、応用幅は相当にあると考えています。例えば、8画面にしたり、モニター自体をタテ長にしたり、さまざまな車両情報を映し出したり。我々が持っているコンテンツ以外のものを表示することもあるかもしれません」

(中井さん)「ナビ画面を2つ出して、1つには他車位置を表示する、なんてことも、可能だと思います。ソフト開発には終わりがないですから。その意味では完成することはないですし、いろいろと広げていきたいですね」

“Quad View(TM)”を実際に触ってみると、その動きは至ってスムーズで快適だった。そして諸々が理に叶っていて実に使いやすい。さらに言えば、画面と対峙したときのわくわく感も大きい。これも重要な要素ではないだろうか。手にした満足感の高い1台に仕上げられている。

AV一体型ナビに、新たな価値を吹き込んだ、Clarionの“Quad View(TM)”。まずはこの先進の操作感を、ぜひともご体感していただきたい。Clarionのホームページでイベント情報をチェックして、お近くで触れられるチャンスを見つけたならば、くれぐれもそれを逃さぬように。

《太田祥三》

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