10年後の「移動道具」を2日でデザインせよ…名古屋芸術大学がワークショップを開催

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ワークショップで描かれたスケッチ群とモックアップ
ワークショップで描かれたスケッチ群とモックアップ 全 18 枚 拡大写真

わずか2日で「10年後の乗り物」を考案し、ペーパーモックアップを作り上げるというデザインワークショップが名古屋芸術大学で開催された。また8月5日には指導にあたった木村徹氏の講演もおこなわれた。

【画像全18枚】

ワークショップを開催したのは芸術学部芸術学科・デザイン領域カーデザインコース。課題は「10年後、自分が使いたい移動のための道具をデザインする」というもの。同コースを履修する学生をはじめデザイン領域の1~4年生、そして大学院、名古屋工業大学、千葉工業大学の有志を加えた合計32名が5グループに分かれて作品を制作した。

ワークショップは8月2日のオリエンテーションからスタート。3、4日に作品を制作し、5日にプレゼンテーションというスケジュールで進行。スケッチで最終デザインを表現するほか、段ボールなどを用いて簡易的なモックアップを作成することも求められた。

5つの作品は「走行時に路上のゴミも収集する自動運転乗用車」、「待ち時間なしで乗車でき、透明チューブの中を自動で移動する少人数用公共交通システム」、「分離結合が可能なリビングルーム感覚モビリティ」、「オフィス街を自在に走れるデスク」、「個人が短距離移動に使うシェアリングモビリティ」と、それぞれにユニークなコンセプトを持つ。いずれの作品も、移動の道具としての利便性を考慮しつつ、公共的な価値も追求されたアイデアだ。

どれもアイデアの煮詰めやモックアップの作り込みが充分とは言いがたい。しかし学年もクラスもバラバラなメンバーが、わずか2日間でコンセプトメイキングやスケッチワーク、モックアップ制作をこなしたことを考慮すれば、驚くべき成果といえる。指導にあたった木村徹特別客員教授も「よくぞ間に合わせた」と賞賛している。

ちなみにカーデザインコースの片岡祐司教授によれば、同校の課程が再編され、カーデザインコースが新設されたのは昨年度とのこと。同コースの学生にとっては、トランスポーテーションデザインを学ぶということ自体がまだまだ新鮮な体験という状態ということにも驚かされる。

プレゼンテーションの後には、木村氏が「クルマは変わる」という題で講演。こちらは公開講座として開催され、ワークショップには参加しなかった学生やOB、名古屋周辺の企業に勤務するデザイナーなども聴講した。

講演内容は「Most Advanced Yet Acceptable」(レイモンド・ローウィ)、「Less is more」(ミース・ファン・デル・ローエ)、「Form follows function」(ルイス・サリヴァン)といった、現在にも通用する工業デザインの格言からスタート。超小型モビリティや「ぶつからないクルマ」への期待、クルマもオーディオや時計のように高級品と大衆品の二極化するのでは、といった予測など幅広い内容。

「現在の常識は、未来においては保守的なもの。現在において先進的で、ときにやりすぎにも思えるものが未来の常識になる」という言葉は、デザインに限らずあらゆる価値観に共通する言葉だろう。

《古庄 速人》

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