車内の音を良くするために「チューニング機能」を導入せよ…クラリオンFDS導入作戦

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クラリオン『Full Digital Sound』の“コマンダー”の取り付け例(製作ショップ:ブレインチャイルド)
クラリオン『Full Digital Sound』の“コマンダー”の取り付け例(製作ショップ:ブレインチャイルド) 全 1 枚 拡大写真

カーオーディオの音を良くするためには、音の質を上げることと同時に、“ステレオイメージ”を向上させる必要もある。それを成し遂げようと思えば、「サウンドチューニング機能」が不可欠。というわけで、その機能を車内に導入する具体的な方法を解説している。

ここまでは、「メインユニット交換」、「アンプ内蔵DSPの導入」、「単体DSP」の導入」という3つの作戦をご紹介し、それぞれの難しさやメリット等々を解説してきた。それに引き続き今回からは、それ以外の特殊な方法にスポットを当てていく。まずはこちら、クラリオンの『Full Digital Sound』について考察していく。

■これのみでシステムが完結する。既存のユニットとの組み合わせは、基本的に不可能…。

ここでクラリオン『Full Digital Sound(以下、FDS)』を単独で取り扱うのは、当システムがこれのみで完結するものであるからだ。その意味で特殊な存在であるので、これのみに絞って導入作戦のメリット等々を考察していく。

さて、せっかくの機会なので、『FDS』のことをご存じない方のために、これが何なのか、から解説していこう。

これは、これまでのオーディオの常識を覆す、画期的なシステムである。画期的である理由は、「デジタル信号のままでスピーカーを駆動できる」からだ。通常のスピーカーは、アナログ信号を磁気回路で受け、フレミングの左手の法則に従って磁気回路内のコイルが動き、その動きを振動板に伝え、空気を震わせ音を発する。要は、マイクが音(空気の振動)を拾って電気信号に変える、その逆のことを行って音を出すわけだ。

この基本的な仕組みは、スピーカーが発明されてからもう100年近くが経とうとしている今も変わっていない。CDや“ハイレゾ音源”等々、音楽はデジタルデータで記録、保存されることが主流となっているのだが、音を発する時点においては、その音楽信号がアナログ信号に戻されていないと、スピーカーを駆動できないのである。

しかしながら『FDS』のスピーカーは、デジタル信号のままで振動板を動かせる仕組みを持っている。音源のデジタル信号がシステムの中で1度もアナログ信号に戻されることなく音楽が再生される、というものなのだ。

このように、画期的な発明品であるがゆえに、音楽信号を送り込む側と受ける側が専用のユニットでないとシステムは成立しない。であるので『FDS』では、他のDSPを組み合わせることや、他のスピーカーを組み合わせることは、基本的には不可なのだ。セットで導入するしかないのである(1系統のアナログ出力を備えているので、そのchを使ってアナログユニットを加えることは可能)。

■『FDS』は、実はリーズナブル!? その心は…。

システムは以下の3製品から成る。フルデジタルサウンドプロセッサー(サウンドプロセッサー/ツィーター/コマンダー)の『Z3』(税抜価格:12万5000円)と、フルデジタルスピーカー『Z7』(税抜価格:8万7000円)と、フルデジタルサブウーファー『Z25W』(税抜価格:7万3000円)で構成されている。ミニマムな導入プランは『Z3』と『Z7』のセット。これになんらかのソースユニットを組み合わせれば音楽を楽しめる。

で、気になるのは、当システムの利点だ。“革新的”であること以外にどんな利点があるのかと言うと…。主な利点は以下の3点。“高音質”、“省電力”、“省スペース”。

世の中には超ハイエンドなカーオーディオシステムもあるので、『FDS』がもっとも音がいいということではないが、価格に対する音質的な満足度が高いと各所で評判になっている。そして、外部パワーアンプを用いる通常のシステムに比べて電気の消費量がかなり少ない(外部パワーアンプを使わないシステムと比べても消費電力は少ない)。さらにはパワーアンプが必要ないので、インストールスペースが少なくてすむ。

その上で、「サウンドチューニング機能」も優秀だ。十二分に“ハイエンド”と呼べるレベルが確保されている。

というわけで、愛車に「サウンドチューニング機能」を取り入れようと考えたとき、『FDS』は立派な1つの選択肢となり得るのだ。『Z3』と『Z7』の合計価格が21万2000円なので、この金額だけをみるとこれまでご紹介してきた他の手段に比べて高額だが、「単体DSP」+「スピーカー」+「パワーアンプ」を一気に導入することと比べたら、なかなかにリーズナブル。この価格で通常製品の中からこれらを揃えようと思っても、選択肢はそう多くはない。

また、こんな考え方もできる。『FDS』では、システムプランを考えている途中で高額なスピーカーが欲しくなりシステム合計金額が上がる、ということもない。先に説明したとおり、基本的には専用ユニットでないとシステムが成り立たないので、途中から予算が膨らむ心配がないのだ。上を見ればキリがないのがカーオーディオではあるのだが、『FDS』は違う。それが安心感をもたらしてもくれている。

■「サウンドチューニング機能」を導入しつつ、同時にフルシステムを完成させようと思うなら…。

その一方で『FDS』は、ソースユニットへの対応力は高い。これ自体にはプレーヤー機能が搭載されていないのだが、その代わり入力系統を多彩に持っていて、さまざまな機器を接続可能だ。“音が良い”と評判の“ハイレゾ音源”にも対応している。なんらかの“ハイレゾプレーヤー”と接続すれば、“ハイレゾ音源”を“ハイレゾクオリティ”のまま、制御可能だ。

ちなみに、クラリオンの最新AV一体型ナビである『NXV977D』を組み合わせると、コマンダーで行える操作をナビ画面上で実行することも可能となる。さらには、『NXV977D』にはデジタル出力も備えられているので、音楽ソースの読み取り段階から音に変わるまでが完全デジタル、という未来形の車載システムを完成させることもできるのだ。

なお『FDS』では、「サウンドチューニング機能」の操作感も良い。スマホ、もしくはタブレットでこれを行うので、ドラッグ操作が可能であるなど、直感的にコントロールできる。また、「単体DSP」の多くはPCで操作を行うので、チューニングを行う際にはわざわざPCを車内に持ち込む必要があり、これが案外面倒だったりもするのだが、『FDS』では思い立ったときにいつでも「サウンドチューニング機能」をいじれる。ユーザビリティもなかなかなのだ。

「サウンドチューニング機能」を導入しつつ、リーズナブルにハイクオリティな“フルシステム”を完成させようと考えるならば、クラリオンの『FDS』は魅力的な選択肢となり得る。覚えておいて、損はない。

さて、今回は以上で終了だ。次回は短期集中連載の最終回として、ここまで十分に説明することができていなかったスペシャリティの高い「サウンドチューニング機能」の導入方法について解説していく。次回の当記事も、要チェック。

車内の音を良くするために「チューニング機能」を導入せよ! Part.5「クラリオンFDS導入作戦」

《太田祥三》

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