【MINI クーパーS E クロスオーバー 試乗】よくできたPHEVだが、479万円という価格に悩む…丸山誠

試乗記 輸入車
MINI クーパーS E クロスオーバー オール4
MINI クーパーS E クロスオーバー オール4 全 23 枚 拡大写真

ミニ史上初のプラグインハイブリッドが『クーパーS E クロスオーバー オール4』。そのネーミングからわかるように4輪駆動モデルだが、前後アクスルに機械的なつながりはなく、前輪をエンジン、後輪はモーターで駆動するいわゆるe4駆タイプ。

当初ミニクロスオーバーは、クリーンディーゼルエンジン搭載モデルのみだったが、ようやく新世代ハイブリッドモデルが追加された。ただし、ハイブリッドはディーゼルとの組み合わせではなく、BMWのモジュラーエンジンの1.5リットル直3ターボ(最高出力136馬力)を搭載する。

1.5リットルと聞くと、さらに大きくなったボディとモーターやバッテリーの重量増でスポーティに走らせられるのか疑問を持つ方も多いと思う。しかし、乗り出すと軽快な加速にビックリ。

しかも試乗会で充電する時間がなく、バッテリー残量がわずかなのにもかかわらず、アクセルを踏み込むとトルク感があってとてもスムーズ。1.5リットルターボのエンジン音の高まりはあるが、けっこう力強い加速で、これはモーターアシストが効いているからだ。

ドライブモードはオートeドライブだが、バッテリー残量がないため軽負荷時でもEV走行はほとんどできなかった。モーター出力は88馬力・165Nmで満充電ならEV走行で約120km/hまで加速、おとなしく走れば最長約40km走れるという。

クーパーS E クロスオーバー オール4の魅力は、走りがしっとりとして落ち着いていること。前にエンジン、後ろにモーターとバッテリーいう組み合わせのため前後重量配分が適正化され、ピッチングが少なくなっているのがいいフィールに結びついている。

コーナリングでは後ろに置いたモーターやバッテリーが低い位置のためロールが少なく安定し、想像以上に上質な走りを実現している。スポーティなゴーカートフィールを残しつつ、よりボディの動きがコントロールされたいい乗り味だ。

セーブモードを使えばバッテリーの残量を維持したまま走ることも可能なため、EVモードで静かに走りたい場面で電池がないという事態にならない。200V電源で空の状態から約3時間での満充電にできるが急速充電には未対応。もっともハイブリッドだからガソリンで走り続けられるので、高速でのロングドライブもまったく心配ない。

ミニ初のプラグインハイブリッドとしてはよくできていておススメしたいが、車両価格がちょっと高い。オプションなしで479万円。試乗車はレザーシートやオートマチックテールゲートなどをセットにしたペッパーパッケージなど、いろいろ装着されているため約583万円と高額。

BMW『3シリーズ』のプラグインハイブリッド「330e iパフォーマンス」が579万円だから大いに悩むが、個人的にはきっとFRで2リットル直4ターボ+モーターの330eを選ぶだろう。

■5つ星評価
パッケージング:★★★
インテリア/居住性:★★★
パワーソース:★★★★
フットワーク:★★★★
オススメ度:★★★

丸山 誠|モータージャーナリスト/AJAJ会員
自動車専門誌やウェブで新車試乗記事、新車解説記事などを執筆。キャンピングカーやキャンピングトレーラーなどにも詳しい。プリウスでキャンピングトレーラーをトーイングしている。

《丸山 誠》

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