【エンディング産業展2017】光岡自動車、4台の霊柩車を展示…「引き合いが増えればいい」

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光岡自動車のブースの様子
光岡自動車のブースの様子 全 7 枚 拡大写真

光岡自動車は8月23日に東京ビッグサイトで開幕した「エンディング産業展2017」に出展、4台の霊柩車を出展した。光岡太進取締役は「うちが霊柩車をやっていることをまだ知らない人もいる。それで今回4台持ってきた。引き合いが増えればいい」と話す。

光岡自動車と言えば、1968年に光岡進氏が富山市で創業した会社で、最初は馬小屋を借りて板金塗装・整備を行っていた。その後、中古車販売を始め、82年に50ccエンジンを搭載した一人乗りの「ゼロハンカー」を開発。93年には改造車『ビュート』を発売、ファッションカーの先駆となった。

そして翌94年、念願だった自社製シャーシを使ったスポーツカー『ゼロワン』を発表した。当時、「日本でホンダに続く10番目の乗用車メーカー」として話題となった。これまでにファッションカーを10車種発表し、出荷累計台数が1万2000台を超えている。またゼロワンについては2車種で約350台を販売してきた。

そんな光岡自動車が霊柩車を手がけ始めたのが15年前だ。現在、霊柩車を手がける会社は全国で10社ほどあり、年間約500台の需要があるそうだ。「市場はここ15年間、微増の状態が続いている」(光岡取締役)とのことで、光岡自動車は約20%のシェアを誇り、トップを争っているという。

そんな光岡自動車がこれまでになかった霊柩車を披露した。それはトヨタ自動車の『アルファード』をベースにしたもので、寝台車も兼ねるという“1台2役”の霊柩車だ。「最近は家族葬が増え、規模が小さくなり、葬儀費用を抑える傾向が強くなっている。これまでは、霊柩車と寝台車を使い分けてきたが、1台に集約できないかという要望が葬儀業者から出てきた。また、病院からも近所の目を気にして霊柩車でない車で来てほしい要望が強くなっている。それで、このような車をつくってみた、これだと、霊柩車には見えないと思う」と生産管理部本部長を務める光岡取締役は説明する。

価格は2WDが432万円、4WDが455万円で、改造費が約180万円かかっているそうだ。すでに納入先が決まっていて、この展示会が終わると、葬儀業者に届けることになっている。ブースにはこのアルファードベースの霊柩車のほか、日産自動車の『ティアナ』、米フォードの『リンカーン』、トヨタ自動車の『カローラフィルダー』をベースにした霊柩車が展示してある。それぞれ価格が885万円、1375万円、528万円で、特にリンカーンについては開発費が約800万円もかかっているという。

「霊柩車は8割が黒となっているが、最近は終活している女性から『私のときは白い霊柩車にしてほしい』という声が多くなっている。こういう商売は派手にPRすることができないので、お客の要望を聞きながら、それをうまく反映させながらきめの細かい車づくりを行って着実に成長できればと考えている」と光岡取締役は話す。
超高齢化社会を迎えた日本が自分らしいエンディングを選択できる社会を作れるよう…

《山田清志》

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