伝統の縦2灯マスクを継承し、外装のボルトは平らに…スズキ GSX-R1000R 新型艤装設計者【インタビュー】

モーターサイクル 新型車
GSX-R1000R
GSX-R1000R 全 39 枚 拡大写真

「もともとGSX-R系というのは、縦2灯のヘッドライトが分かれずにフロントマスクの真ん中にあるっていうのが伝統のイメージなんですが、それを継承しました」

新型スズキ『GSX-R1000R ABS』のボディワークについて、そう教えてくれたのは、車体設計部艤装設計担当の吉浦稔明さん。

MotoGPマシンからインスパイされた、エアロダイナミクスに優れたボディデザインは風洞実験の繰り返しによって生まれたという。

「技術進歩によってLEDヘッドライトをコンパクトにすることができましたので、ラムエアダクトの口径を拡大することができました」(吉浦さん)

吸気ダクトをラム圧がもっとも高いフェアリングノーズの中心近くに配置でき、さらにダクトの内部構造を滑らかにし、エアボックスへの空気流量を増加。吸気効率の向上に貢献している。

「新型のフェアリングは最大幅で13mm短縮していて、燃料タンクは上部を低く滑らかなデザインとし、サーキットのストレートでヘルメットをより低い位置にすることが可能です」(吉浦さん)

よりコンパクトに、より滑らかに、よりスリムになったボディワークにより、ハンドリングとトップスピードを上げているのだ。

吉浦さんが見て欲しいというのは、フェアリングの取付ボルトだった。

「空気抵抗の低減と軽量化のために、フラットトップ形状にしているんです。細かいところなんですけど、効果は大きいんですよ」(吉浦さん)

たしかに細かい部分の話しだが、カウルからの出っ張りがなく、これなら空気抵抗にならないだろう。ボルトにまでこだわる、技術者魂を感じる話しであった。

なお、新型GSX-R1000R ABSでは、テール/ストップランプも縦にレイアウトされ、スリムなテールセクションを演出。ウインカーやナンバー灯など灯火類はすべてLEDとしている。
『GSX-R1000R ABS』をサーキットにて試乗したが、オール新設計の車体は応答性と俊敏性が向上…

《青木タカオ》

モーターサイクルジャーナリスト 青木タカオ

バイク専門誌編集部員を経て、二輪ジャーナリストに転身。多くの専門誌への試乗インプレッション寄稿で得た経験をもとにした独自の視点とともに、ビギナーの目線に絶えず立ち返ってわかりやすく解説。休日にバイクを楽しむ等身大のライダーそのものの感覚が幅広く支持され、現在多数のバイク専門誌、一般総合誌、WEBメディアで執筆中。バイク関連著書もある。

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