道の駅を核とした自動運転車サービス、高齢者の足に…栃木県で実証実験が始まる

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あらかじめ収集した高精度マップの下、一般道を自動で自律走行する「EZ10」
あらかじめ収集した高精度マップの下、一般道を自動で自律走行する「EZ10」 全 17 枚 拡大写真
国土交通省は2日、栃木県栃木市にある道の駅「にしかた」において、全国に先駆けてミニバスによる自動運転車サービスの実証実験を始めた。最大の目的は過疎化が進む中山間地域で高齢者の生活の足を確保することで、同省は2020年度の実用化を目指している。

現在、高齢者の運転ミスによる交通事故が取り沙汰される中、運転免許証の返納が進み始めているが、その一方で直面しているのはバス路線廃止などで日常の足が奪われるという課題。現状、各自治体が個別に対応策を実施しているものの、決め手となる解決策は見出せないでいるのも確かだ。

そこで国交省が進めるのが道の駅と自動運転車を組み合わせたプラン。同省によれば、道の駅は全国に1117駅(2017年4月21日現在)設置され、中山間地域の設置率は5割を超える。しかもその周辺には約4割が病院・診療所、役所などの公共機関があるという。つまり、道の駅を中核とした自動運転車が集落を結ぶことになれば、その解決策の一助になるのではないか、というわけだ。

実証実験が行われた道の駅「にしかた」の周辺には、保健センターや図書館などが併設されている栃木市役所西方総合支所と集落があり、その間約2kmにバス停3カ所を設置。この区間を実験車両で結んで地域住民などが利用する。また、集落で収穫した野菜の配送や、日用品を注文/受取る実験も行う。実験は一般道路上で実施されるが、実験車両がナンバーを取得していないこと、走行速度を10km/h前後としていることなどから、一般車両が入れないクローズドされた中で行われる。

車両はDeNAが所有するフランスのEASY MILE社製造の『EZ10』を使用。小型バスタイプの電気自動車で、立ち席を含めると10人まで乗車できる仕様だが、実験中は監視要員以外に4~5人が着座する形で走行する。事前に走行ルートの高精度地図を車両に憶えさせ、車両にはセンサーとして、走行位置を把握するGPSの他、障害物を検知するためのカメラを前後に、レーザースキャナーを車両の四隅に突き出すように取り付ける。

会場では走行実験車両の他、アイサンテクノロジーや先進モビリティ、ヤマハ発動機が開発した実験車両が展示された。この実証実験は9日まで行われ、これ以外に12カ所で実験を順次進め、課題を探っていく。

《会田肇》

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