【ブリッド STREAMS】車との一体感アップ、日常の走り変えるコンフォートシート… C-HR で試乗

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ブリッド STREAMS タフレザーモデル
ブリッド STREAMS タフレザーモデル 全 16 枚 拡大写真

シートは自動車の性能やフィーリングを左右する重要な部品であることは疑いようがない。とくに良くできた欧州車のそれは優秀でロングドライブでの疲れの少なさには脱帽せざるを得ないほど。高速道路も一般道も速度域が高く、平均的な移動距離が長い欧州で磨かれているだけのことはある。

日本車も、最近登場してきた新世代プラットフォームのモデルなどは走りの本質を追求しており、欧州車的なロングドライブ性能でもだいぶハイレベルになってきたが、それでもシートがもう一歩ということは少なくない。そこで注目したいのが、シートを交換してしまうこと。シートメーカーとして名高いブリッドが発売している「STREAMS(ストリームス)」シリーズは、まさにロングドライブでの疲労度軽減に注目し、運転時の身体の負担を軽減するべく開発されたモデルだ。

◆日本製へのこだわり、レース技術活かした性能

ブリッドといえば、モータースポーツやチューニングカーの世界ではその名を知らぬ者はいないほどバケットシートでは圧倒的なシェアを誇っている。また、全てのシートとシートレール製品を日本国内で製造。安全かつ高品質な製品を提供するため、メイド・イン・ジャパンにこだわっている。

レーシングカーに装着されているシートと、ストリート用のコンフォート志向のシートではまったく別モノと思われるかもしれないが、基本的な部分では共通点が少なくない。バケットシートは激しい横Gにたえるべく、脇腹や肩の横が大きく張り出してサイドサポートするのが特徴だが、そういった形状をもっていたとしても、座面やバックレスト(シートバック)など基本がキチンと出来ていなければ、走行中に身体が動いてしまって正確な操作がしにくくなったり、余計な力が入って疲れてしまう。

たとえば座面は適度に前上がりなのが基本。平坦や前下がりではブレーキングで身体が前にいってしまうからだ。これはストリート用でも一緒。軽自動車やミニバンなどでは平坦気味なことが多いが、受けるGの少ない低速の街中がメインだからと割り切り、その分をスペース効率の活用や多彩なシートアレンジに振っているのだろう。

ゴールデンウィークや盆暮れにしかロングドライブに行かなければ、どうせ渋滞でGの影響が少ないからシートの善し悪しに気付かないだろうと自動車メーカーは高をくくっているかもしれない。だが、最近では首都圏三環状や新東名、新名神などをはじめ、日本の高速道路網の整備が驚くほど進み、データ的にも平均速度は上がっている。クルマには欧州的な走りの本質、シートには高速ロングドライブでの性能が求められるようになってきている。

◆質感が魅力のタフレザー、人間工学も追求

そうやって普段からシートの重要性に注目している目でブリッド「STREAMS」シリーズに試乗することになった。今回は発売されたばかりの最新作、新しい表皮素材を採用した「タフレザー」のモデル( 9万4000円~・税別)をトヨタ『C-HR』に装着しての試乗だ。

乗り込んでみてまず嬉しい驚きだったのが、タフレザーの表皮が適度な摩擦力をもっていることだった。一般的にレザーシートは高級感があって人気が高いが、オプションで何十万円もする高級車用の贅沢品ではなく、リーズナブルなモデルだと表皮がツルツルと滑って身体が動いてしまうことも少なくない。お尻がどんどんと前にいってのけぞるような格好になったりすると最悪だ。また高級品はしなやかでフィット感が高いが、そうではないと突っ張っていて身体が沈み込まずにお尻を点で支える格好になることもある。

タフレザーの座面は摩擦力がある上に、お尻へのフィット感もいい。フカフカのソフトタッチではなく、体重によって自然な感覚で沈み込んでいく。これは表皮だけではなく、シートクッションの厚みや硬度、ダンピング特性などとのマッチングもいいからだろう。適度に前上がりで、絶妙なカーブを描く座面はお尻だけではなく、太ももや膝の裏までピタリと寄り添う。聞けばタフレザーは見た目の高級感というよりも、機能性を重視したと言う。PVC素材のレザー調表皮は、フィット感にプライオリティを置いて選択したものなのだ。とはいえ、見た目や触れたときの質感もそれなりにハイレベル。とくにC-HRでは、ダッシュボード等のシボ(表面の模様)と合っていて自然なマッチングで違和感がない。

シートを交換したことを強調したい人はもっと派手さが欲しいと思うかもしれないが、それなら既存のスウェード調表皮モデルの全7色のなかからチョイスするといい。ブリッドのロゴがグラデーションで入れられているモデルなどは目立ち度としては満点だ。ちなみにタフレザーはブラックのみ。ヘッドレスト部に入るロゴも濃いグレーで目立ちすぎず、センス良くまとめられている。

さらに特徴的かつ好ましいのがバックレスト(シートバック)のSライン形状だ。人間の背骨は横から見ると真っ直ぐではなく、まさにSライン形状をしているから、フィット感が抜群になり、背中も腰も広い範囲がシートと触れ合うことになる。人間工学を追究したメディカルコンフォートモデルと言われる所以だ。

◆キャロッセ仕様のC-HRでワインディングへ

タフレザーの「STREAMS」を装着したC-HRで走り始めると、さらにフィット感の高さが実感できる。低速な街中では身体がブレる気配もなく、自然と理想的なドライビング姿勢で走れている。Gの影響を受けにくい街中では物足りないとばかりにワインディングロードを目指した。

「STREAMS」シリーズは乗降性の良さやさまざまな車種へ干渉なく取り付けられることを考慮して、ショルダー幅は495mmとコンパクトに設計されており、本格的なフルバケットシートほどのホールド性は期待できないが、コーナーをちょっと攻め気味に走って横Gが高まっても身体は安定しきっている。背中に腰、お尻に太ももと広い範囲で身体とシートが触れあい、形状的にも適度に身体を包み込んでいるから、そこだけでも十二分なホールド性を発揮しているのだ。これこそ、ブリッドが長きに渡ってモータースポーツ等でシートの基本性能を追求してきた成果だろう。サイドサポートに頼る前段階の、座面とバックレスト(シートバック)という基本がキチンと出来上がっているからだ。強いブレーキングでもお尻が前にずれるようなことはない。

C-HRは、TNGAによる新世代プラットフォームのモデルでシャシー性能は高く、さらに今回はキャロッセのデモカーでスポーツサスペンションを装着していることもあってコーナーでの横Gは下手なスポーツカー顔負けなぐらいに高いが、それでもシートに不足はない。座っているというよりも、スッポリとはまり込んでいるという表現したくなるほどの安定感でワインディングロードを駆け抜けていった。

◆高速走行時も安定、腰痛持ちに嬉しいシート

その後は高速道路をひとっ走り。速度域があがると、道路の目地段差などからの突き上げもきつくなるが、入力が強いわりには身体に受ける衝撃は和らいで感じられる。これも体重が広い範囲に分散されているからで、とくにSライン形状のバックレスト(シートバック)は、もたれかけているかのようで、腰椎(背骨の腰部分)への負担を減らしてくれている。腰痛持ちでクルマによく乗る人には何よりもありがたいことだろう。

また、体重の分散によって、お尻が痛くなりずらいこともロングドライブ向きだ。じつは以前にぎっくり腰になったことがあって、医者に背骨やら腰椎やらを診てもらったことがあるのだが、恥ずかしながら尾てい骨が人より出っ張っていたことが判明。クルマのシート形状が良くないと、すぐにお尻が痛くなる原因もわかったのだった。そんな尻痛に敏感な自分が太鼓判を押すのだから「STREAMS」シリーズのロングドライブ性能が高いことは間違いない。

レーシングカーやチューニングカー以外でシート交換をするのは、いまのところ一般的ではないかもしれないが、ロングドライブで身体がブレず、疲労が軽減されることは安全性にも直結するので是非とも検討してみることをオススメしたい。クルマに乗ると腰が痛くなる人はマストだ。また、タイヤやサスペンションを交換するのと同等以上にシャシー性能が向上したように感じられるのも魅力。シャシーそのものが改良されていないとしてもクルマとドライバーの一体感が高まるので、上手に操れるようになるからだ。

ブリッド STREAMSシリーズのホームページはこちら

《石井昌道》

石井昌道

石井昌道|モータージャーナリスト 自動車専門誌の編集部員を経てモータージャーナリストに。国産車、輸入車、それぞれをメインとする雑誌の編集に携わってきたため知識は幅広く、現在もジャンルを問わない執筆活動を展開。また、ワンメイクレースなどモータースポーツへの参戦も豊富。ドライビングテクニックとともに、クルマの楽しさを学んできた。最近ではメディアの仕事のかたわら、エコドライブの研究、および一般ドライバーへ広く普及させるため精力的に活動中。

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