【ホンダ N-BOX 新型】軽量化支える車体には先進技術が詰まってる

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N-BOXのホワイトボディーと木村勇介主任研究員
N-BOXのホワイトボディーと木村勇介主任研究員 全 5 枚 拡大写真

ホンダは全面改良して9月1日に売り出した軽自動車『N-BOX』の技術説明と試乗会をこのほど都内で開いた。新型車の特徴である大幅な軽量化を支える車体には、新工法の採用などホンダの先進生産技術が詰まっていることが示された。

新型N-BOXは全体の90%もの部品を見直すことで、旧モデル比で約80kgの軽量化を図っており、走行性能や燃費、安全性能の向上などにつなげた。80kgはネットの数値であり、実際にはグロスで150kgの軽量化を図る一方で性能向上の“原資”として70kgほど重くなっている。つまり、70kg分が安全装備や車体の剛性向上による乗り心地の改善などに要した部品などの重量ということだ。

車体設計の責任者を務めた本田技術研究所の木村勇介主任研究員によると、グロス150kgの軽量化のうち「約45%が内装品なども含む車体領域」だという。鋼板を溶接などで組み立てた裸の状態の車体である「ホワイトボディー」では15%の軽量化を図った。

これは主に、強度が高くて薄い鋼板である高張力鋼板(ハイテン材)の量を増やすことで実現した。中級クラスの性能である780Mpa(メガパスカル)級以上のハイテンは旧型で約15%だったのを新型では約47%と大幅に増やした。同時にローラー状の電極で連続的に溶接する「シーム溶接」やフロアの接合に「高粘度接着剤」を使うことで、高い剛性の確保と軽量化を実現している。シーム溶接は、同社の軽乗用車としては初めて、高い強度が求められるセンターピラー部などに使っている。

一方、軽量化とともにデザイン上の見栄え向上にもつながる新技術もルーフ部に採用された。乗用車のルーフはどんな高級車も、通常はルーフと左右のサイドパネルを接合した部分に黒いラバー状の樹脂モール部品を装着している。ルーフを頭に見立てるとモヒカン刈りのようにも見えるので、通称モヒカンとも呼ばれる構造だ。

しかし、新型N-BOXではルーフサイドの接合に、ろう付けの一種である「レーザーブレーズ」という技術を採用し、黒いモール部品を不要とした。N-BOXはツートンカラーの人気が高く、「ツートンの見栄えを良くするのが主な採用の狙い」(木村氏)だった。この接合方式は、ホンダ車では燃料電池車(FCV)である『クラリティ フューエル セル』だけに採用されている先進技術でもある。

N-BOXはホンダにとって国内で最も売れているモデルではあるが、軽自動車といういわばローエンドのジャンルに先進の生産技術を多く投入している。木村氏によると、こうした発想は「かつて70年代、80年代には当時のベーシックカー『シビック』から新技術を投入しており、それと同じ考え方」という。軽自動車は今日のベーシックカーであり「そこから新技術を入れて行くことは、コスト面でのチャレンジにもつながる」(木村氏)と指摘している。
ACCまでもサポートした「ホンダセンシング」を、軽自動車として初めて標準搭載した新型『N-BOX』。その機能は…

《池原照雄》

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