【WEC 第6戦】ポルシェ4連勝、3戦連続1-2フィニッシュ…トヨタ3-4位ながらも今回は好勝負展開

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優勝した#2 ポルシェ、これで4連勝。
優勝した#2 ポルシェ、これで4連勝。 全 8 枚 拡大写真

世界耐久選手権(WEC)第6戦の決勝6時間レースが現地16日、アメリカのテキサス州オースティンで行なわれ、「LMP1-H」クラスではポルシェ919が3戦連続の1-2で、4連勝を飾った。トヨタTS050勢は3-4位に敗れたが、今回はポルシェと好勝負を展開、次戦富士に期待を抱かせている。

オースティンの「サーキット・オブ・ジ・アメリカズ(COTA)」での戦いはドライコンディション。途中、コースオフ車両が壊したコースサイドのバリア(ウォール)修復のためにセーフティカーが入る場面もあるなどしたが、前戦メキシコに続きレース全体の流れはアクシデント要素のあまりない、落ち着いたものとなった。

ただ、LMP1-Hマシンによる2大トップワークスの戦いはメキシコ戦とは違い、かなり接近した展開に。前回完敗したトヨタが今回はポルシェに食い下がってみせ、時にコース上で、時にピット戦略攻防で、戦いを挑み続けた。耐久レースの王道的な、密度感の高い玄人好みのレース展開であったともいえよう。

しかしながら、レースが進むにつれて、接近した戦いのなかでも主導権はポルシェが握っていることが次第に明確になっていく。最終的には今回もポルシェが選手権リーダーの#2 ポルシェ(T.ベルンハルト & E.バンバー & B.ハートレー)を前にしての3戦連続1-2フィニッシュを達成。#2 ポルシェは4連勝、そして#1 ポルシェ(A.ロッテラー & N.ジャニ & N.タンディ)が3戦連続の2位となった。

優勝クルーのひとり、ベルンハルトは「また1-2で勝てたことは素晴らしい。今日はトラフィック(他クラスの周回遅れ)にかなり悩まされたけどね。自分の最初のスティントでは、マシンもハッピーな状態ではなかった。でも、僕が2度目にマシンに乗り込んだ時は2台のトヨタといいファイトができたよ。最大のチャンピオンシップポイントを得られてもちろん嬉しい。そして我々の僚機(勝利を譲ってくれるかたちになった1号車)が勝利に値したことも間違いない」と語っている。

トヨタ勢はまたもや3-4位に敗れた。しかし1位と3位の最終タイム差はおよそ22秒で、レース中盤には周回遅れとなっていた前戦からは内容的に大きく前進したといっていい。村田久武チーム代表は「期待通りにいかなかった予選結果から挽回すべく、決勝レースではチームの懸命な努力によってライバルに肉薄し、僅差の接戦をファンのみなさまにお届けできたことは嬉しく思っています」と語っている。

3位は今回、欠場のA.デビッドソンに代わってS.サラザンが乗り組んだ#8 トヨタ(中嶋一貴 & S.ブエミ & S.サラザン)。そして#7 トヨタ(小林可夢偉 & M.コンウェイ & J-M.ロペス)が4位だった。

3位 #8 中嶋一貴のコメント
「自分の最初のスティントでは首位でレースをリードすることになり、期待以上の状況に良い気分で走れました。我々の走行ペースは良く、後続との差をコントロールすることもできたのですが、レース終盤、ややスピードを失ってしまいました。3位という結果だけ見れば前戦メキシコと同じですが、今回のレースでは大きな進歩を遂げました。上位争いができたので、次戦の富士、そして残りのシーズンに向けてはさらに良いレースができると思っています」

4位 #7 小林可夢偉のコメント
「ライバル(ポルシェ)とのバトルに全力を尽くしました。今日の7号車の戦闘力は高かったので、もう少しポイントを(多く)取りたかったのですが、残念ながら、それにはわずかに速さが足りませんでした。しかし、前戦メキシコ(での苦戦)から速さを取り戻せたことは良い兆候です。さらにレベルを上げて、富士へ向かいます」

第6戦のLMP2、LMGT-Pro、LMGTE-Amの各クラス優勝は以下の通り。

LMP2クラス優勝 #36 アルピーヌA470・ギブソン(N.ラピエール & G.メネゼス & A.ネグラオ)
LMGTE-Proクラス優勝 #51 フェラーリ(J.カラド & A.ピエール-グイディ)
LMGTE-Amクラス優勝 #98 アストンマーティン(P.ダラ-ラナ & P.ラミー & M.ラウダ)

澤圭太が乗るLMGTE-Amクラスの#61 フェラーリ(W.モク & M.グリフィン & 澤)はクラス2位だった(クラス優勝車とは同周回、約50秒差)。

そしてWECは次戦、いよいよ日本の富士スピードウェイへと転戦する。4連敗を喫したトヨタはタイトル争いという面ではかなり厳しいところへ来ているが、過去5年で4勝と好相性の母国戦で意地を見せたいところだ。村田チーム代表も「今回(アメリカで)勝てなかったことは残念ですが、今日のレースで発揮できたパフォーマンスはホームレースとなる次戦富士へ向けて大きな自信に繋がりました。今度こそは表彰台の真ん中に立つべく、富士スピードウェイへと向かいます」と決意を示している。

秋恒例、注目の「6 HOURS OF FUJI」は10月13~15日の開催だ。

《遠藤俊幸》

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