【トヨタGR】86GRのフロントバンパーはなぜ標準車と同じ形状なのか?

自動車 ニューモデル 新型車
86GR
86GR 全 5 枚 拡大写真

トヨタの新しいスポーツカー戦略として19日に発表された「GR」。そのポジショニングおいて、頂点に立つ存在の「GRMN」とボトムラインとして気軽にスポーツモデルを楽しめる「GRスポーツ」に挟まれた中間ラインナップとして用意されるのが「GR」だ。「GR」は「GRMNのエッセンスを注ぎ込んだ量産スポーツモデル」という立ち位置である。

そんな「GR」として今春発売予定になっているのが『86GR』だ。「86」は本格スポーツカーでありながらもこれまで製造上の理由(スバルの製造ラインではコンバージョンモデルを生産できない)から、「GRMN」以外のスポーツコンバージョンモデル(G's)が発売されなかった。しかし、新たに「GR」というシリーズが確立されたことで用意されることになったのだから朗報だ。

カスタマイズのメニューは専用エアロパーツ、専用チューニングサスペンション、RAYS製アルミ鍛造ホイール、フロント6ポッド・リヤ4ポッド+ドリルドローターブレーキ、レカロ製フロントシート、専用センターシングルエキゾーストテールパイプ、トルセンLSD(86GRMN用)などと発表されている。

GAZOO Racing CompanyでGR開発統括部に所属する佐々木良典さんは「2016年に発売した86GRMNからエンジンのモデファイをなくした仕様と考えてもらうとイメージしやすいと思います」という。磨き上げた究極のハンドリングを味わえる極上のFRスポーツカーであることは間違いないだろう。

そんな86GRだが、スタイリングで興味深いのは標準車との違いが少ないことだ。「GRスポーツ」も含めてヴィッツやアクアからノア/ヴォクシーまで86以外のモデルはすべて標準車と大胆にデザインの異なるフロントバンパーを組み合わせているが、86だけは標準車と同じバンパーにスポイラーを追加するだけとなっているのだ。この違いはどこにあるのだろうか?

「クルマのキャラクターによる判断もあります。たとえば『ヴィッツ』だと一般的にファミリーカーとしても使われるコンパクトカーというイメージがありますよね。だからスポーツモデルを作るにあたってはイメージを変えるためにスタイリングを大きく変更しました。しかし86はもともとスポーツカーなので、標準車のイメージからかえる必要がないだろうという判断です」と佐々木さんは説明する。

見た目のモデファイは少ないが、乗ればその良さがしっかりと伝わってくる。86GRはそんなカスタマイズカーと言えそうだ。

GRMNと違ってスペシャルなエンジンが搭載されていないということは、ターボ化など好みのエンジンチューニングを施したい人にも向いているかもしれない。
豊田章男社長が強調したのが「ファン・トゥ・ドライブ」、走る歓びを追求すること…

《工藤貴宏》

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. 販売わずか3年の希少車種、「角目」のいすゞ『117クーペ』【懐かしのカーカタログ】
  2. ウィラーエクスプレス、2026年春から高卒採用を開始…免許全額会社負担、独自のキャリアプランを発表
  3. 第3世代e-POWERの日産『キャシュカイ』が無給油で英国縦断! その実力に日本導入への期待高まる
  4. 【ボルボ XC60 ウルトラB5 新型試乗】大胆緻密なマイチェンが証明する、ベストセラーであり続けている理由
  5. 【日産 ルークス 新型】「ルークスはパイクカー」開発デザイナーが立ち返った“軽ならではのデザイン”とは
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 「AIディファインド」の衝撃、日本の自動車産業は新たな波に飲み込まれるのか…アクセンチュア シニア・マネジャー 藤本雄一郎氏[インタビュー]
  2. EV充電インフラ-停滞する世界と“異常値”を示す日本…富士経済 山田賢司氏[インタビュー]
  3. ステランティスの水素事業撤退、シンビオに深刻な影響…フォルヴィアとミシュランが懸念表明
  4. SUBARUの次世代アイサイト、画像認識技術と最新AI技術融合へ…開発にHPEサーバー導入
  5. 「ハンズオフ」は本当に必要なのか? 高速での手離し運転を実現したホンダ『アコード』を試乗して感じた「意識の変化」
ランキングをもっと見る