【フランクフルトモーターショー2017】次世代電動ロンドンタクシーは2018年、アムステルダムに225台が導入決定

自動車 ニューモデル モーターショー
640km以上の航続距離を実現した次世代電動タクシー「TX」
640km以上の航続距離を実現した次世代電動タクシー「TX」 全 6 枚 拡大写真

英国の『LEVC(ロンドンEVカンパニー)』は、9月12日からドイツで開幕したフランクフルト モーターショー2017において、次世代電動タクシー『TX』を欧州全域に投入すると発表。 IAA2017のNEW MOBILITY WORLDでは、そのドイツ国内向け仕様車が出展された。

出展された車両は、永年のロンドン・タクシーで得たノウハウを活かしながら、EVとして中国のジーリー(吉利汽車)と共同開発によって生み出された。パワーユニットは110kW(150ps相当)のモーターを搭載。乗客定員6名を乗せても十分なパワーが発揮できるという。バッテリーはフル充電するとEVとして最大80マイル(130km)以上が走行可能で、ボルボ製レンジエクステンダーを併用することで最大400マイル(640km)以上まで走行範囲は広がる。これはロンドン~パリ(約470km)を余裕で走れる計算だ。

定員6名は、固定式3座シートと、対面となる折りたたみ式3座シートを使って実現。車椅子での高いアクセス製も確保し、Wi-FiサービスやUSB/230V電源も準備するなど、乗客の利便性にも配慮している。車両価格は5万5599ポンド(約850万円)とのことだが、大半はリース契約を見込む。また、この価格には3年または12万kmの車両補償や5年間の距離無制限のバッテリー補償も含まれる。

ロンドンのシンボルともなっていたロンドン・タクシー「FX4シリーズ」は、1958年にオースチンによって開発され、極めて小さい最小回転半径を持つタクシーとして世界的に知られてきた。これまでの生産台数は7万5000台。しかし、そのパワーユニットは主にディーゼルエンジンで、ロンドン市内の排ガス問題が深刻化する中、2018年からはタクシーのゼロエミッション化が義務づけられることが決定。早急な対応が迫られていた。

そんな中、ロンドン・タクシー社は2013年にジーリーの100%子会社となり、TXの発表を機にLEVCとして再スタート。その狙いは世界で唯一のタクシー専用EV会社として世界中の都市における商業車としてTXが採用されることだ。すでにオランダ・アムステルダムでは225台が2018年にも導入されることが決定しており、一般タクシーだけでなく高齢者/身体障害者の送迎サービスにも利用される予定になっているという。

《会田肇》

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. 新型アウディ『Q3』のインテリアを公開、「コラム式シフト」と新デジタルコックピットが目玉に
  2. 「ハンズオフ」は本当に必要なのか? 高速での手離し運転を実現したホンダ『アコード』を試乗して感じた「意識の変化」
  3. 2.5Lエンジンを搭載する『インプレッサ』登場、米2026年モデルに「RS」
  4. シボレー『コルベット』がニュルブルクリンクで「米国メーカー最速ラップ」樹立
  5. 21車種・64万台超、トヨタ自動車の大規模リコールに注目集まる…7月掲載のリコール記事ランキング
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 「AIディファインド」の衝撃、日本の自動車産業は新たな波に飲み込まれるのか…アクセンチュア シニア・マネジャー 藤本雄一郎氏[インタビュー]
  2. ブレンボが新ブレーキ開発、粒子状物質を削減…寿命も最大2倍に
  3. EV充電インフラ-停滞する世界と“異常値”を示す日本…富士経済 山田賢司氏[インタビュー]
  4. スズキ初のBEVはなぜ「軽EV」じゃない?『eビターラ』開発者が語る「EVの悪循環」と「スズキの強み」
  5. 湘南から走り出した車、フェアレディZやエルグランド…日産車体が量産終了へ
ランキングをもっと見る