【スーパーフォーミュラ 第6戦】関口雄飛が2年連続でSUGO戦制覇、今季2勝目…ガスリー3連勝ならずも2位

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SUGO戦を制した関口雄飛と星野一義監督。左は2位のガスリー。
SUGO戦を制した関口雄飛と星野一義監督。左は2位のガスリー。 全 16 枚 拡大写真

24日、全日本スーパーフォーミュラ選手権(SF)第6戦の決勝レースが宮城県のスポーツランドSUGOで実施され、関口雄飛が前年に続くSUGO戦勝利を達成した。関口は今季2勝目。3連勝を狙ったP.ガスリーが決勝2位、3位には中嶋一貴が入っている。

決勝日は晴れて、気温も前日までより上がった。68周の決勝レースは予定通り、午後2時10分のフォーメーションラップ発進から開戦。気温26度、路温は41度あったが、大半の陣営はタイヤ無交換の短時間給油というピット戦略で250kmを戦う。

スタートではポール発進の#3 N.キャシディ(KONDO RACING/トヨタ)が出遅れてしまい、2番グリッド発進の#19 関口雄飛(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL/トヨタ)が、3番グリッドから好発した#15 P.ガスリー(TEAM MUGEN/ホンダ)をおさえて1コーナーに先頭で入る。1周目のトップ5のオーダーは、#19 関口、#15 ガスリー、#36 A.ロッテラー(VANTELIN TEAM TOM'S/トヨタ)、#37 中嶋一貴(VANTELIN TEAM TOM'S/トヨタ)、#3 キャシディ。

この5人のうち、#3 キャシディはスタート前のグリッド上での作業手順違反によるドライブスルーペナルティを受けてしまう。また、#36 ロッテラーは4番手に後退したのちに早い段階で給油ピットインをこなしたのだが、その際のピットレーン速度違反でやはりドライブスルーペナルティということに。両者はこのレースを最終的に得点圏外で終える(#36 ロッテラーは10位、#3 キャシディは19位完走扱い)。

この日のレース、一部陣営には無給油を狙うところも出てきたが、表彰台圏内で勝利を争ったのはノーマル系の作戦を採った序盤の上位陣3台、つまり#19 関口、#15 ガスリー、#37 一貴だった。#19 関口は給油時に作業が完全でないところがあり、最後は少しペース調整を強いられた面こそあったものの、#15 ガスリーを0.243秒差で振り切って勝利。2レース制大会だった第2戦岡山のレース2以来となる今季2勝目、昨年に続くSUGO戦優勝を飾った。

実は#19 関口は決勝日朝のフリー走行でコースオフ、マシンを傷めており、その影響か、スタート直前のグリッド上でもスタッフが大きめの作業をマシンに施すなどしていた。しかし、「チームが100パーセント、元の状態に戻してくれましたし、このところもうひとつだった決勝用セッティングもバッチリでした」と関口。「今日はチームに勝たせてもらったと思います」。

もちろん勝因は関口自身の好走にもある。「スタートでガスリー選手をなんとかおさえてトップに上がれました」。関口はいつも、フリー走行時に誰よりも熱心にピットロードエンドでのスタート練習をしている。その効果もあったのだろう(チームスタッフもそれをよく支えている)。そして最近は決勝セッティングがもうひとつだったと本人が言うように、やや存在感を欠いていた関口だが、SF界きっての“劇闘王”がここで復活したのはシリーズ活性化の面でも大きい。最終戦に向けても面白い存在になってくれそうだ。

2位は#15 ガスリー。3連勝こそならなかったが、3戦連続の表彰台獲得を果たしている。3位には#37 一貴が入って、4位は#1 国本雄資(P.MU/CERUMO・INGING/トヨタ)。

5位には無給油作戦を完遂した#7 F.ローゼンクヴィスト(SUNOCO TEAM LEMANS/トヨタ)が入り、6位にポイントリーダーの#2 石浦宏明(P.MU/CERUMO・INGING/トヨタ)、そして7位に#18 小林可夢偉(KCMG/トヨタ)。#18 可夢偉は無給油作戦を採り、終盤まで同じ作戦の#7 ローゼンクヴィストより前を走っていたのだが、最後にガス欠症状をケアする必要に迫られて7位までポジションを落としてゴールした。8位は#41 伊沢拓也(DOCOMO TEAM DANDELION RACING/ホンダ)。

残すは2レース制で実施される最終戦のみ。最終戦ボーナスを含め、ドライバーは最大で18点獲得可能なため、現段階で王座獲得の可能性を有するのは下記の8人となっている(手元計算)。

<SFドライバーズポイント上位>
#2 石浦宏明 33.5点
#15 P.ガスリー 33点
#7 F.ローゼンクヴィスト 28.5点
#19 関口雄飛 25点
#37 中嶋一貴 22点
#36 A.ロッテラー 20点
#18 小林可夢偉 16.5点
#1 国本雄資 16点

可夢偉、国本はいささか厳しい条件といえそうだ。最終戦で2レースともポール・トゥ・ウインの18点フルマークで自力王座となるのは関口までの上位4人。彼らを中心とした戦いが予想されるが、いずれにしても激戦必至だろう。今年もまた、熱いクライマックスとなりそうだ。

注目度高まるSF最終戦は、10月21~22日に開催される「第16回JAF鈴鹿グランプリ」。およそ1カ月後、2017年の“日本一速い男”が鈴鹿サーキットで決まる。

《遠藤俊幸》

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