「EVだからスポーティではない、ということはない」VW開発担当役員フランク・ヴェルシュ博士【インタビュー】

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VWブランド開発担当役員 フランク・ヴェルシュ博士(フランクフルトモーターショー2017)
VWブランド開発担当役員 フランク・ヴェルシュ博士(フランクフルトモーターショー2017) 全 4 枚 拡大写真

2025年には販売モデル全体の20%をEV(電気自動車)にする計画を打ち出しているフォルクスワーゲン。ドイツ・フランクフルトで行われているフランクフルトモーターショー2017において、VWブランド開発担当役員、フランク・ヴェルシュ博士にインタビューする機会を得た。

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2025年に20%という目標があることについて「VWとしてはコンパクトからSUVまで、様々なクルマを作っている。その全てのセグメントでEV車を作っていきたいと思っている」と語るヴェルシュ博士。現在MEBという新しいプラットフォームを開発中ということで、「これを使って小さなモデルから大きなモデルまで、全て電動化していくことを考えている」とのこと。

このMEBというプラットフォームでは、後方にモーターを置き、後輪駆動になるという。『eゴルフ』ではモーターが前方に搭載され、前輪駆動だったが、これはMQBというプラットフォームを採用していたからだ。MEBになることにより、デザイン性が向上するだけでなく、ホイールベースも変えることが可能なので、より幅広いサイズに対応することが可能になるということだ。ただMEBはMQBと根本的に違う構造になっているため、製造には全く新しいラインを作る必要があるという。

今後出て来るVWグループのEVは基本的にMEBを採用したものになるというが、「プレミアムなもの以外がMEBを採用することになるだろう」としている。

また、プラットフォームの違うeゴルフが今後ラインナップから消えるのかと聞かれると、「MEBとMQB、『I.D.』とeゴルフ、というように同じクラスで違うプラットフォームを採用したモデルが2台あった場合は、MQBの方はモデルチェンジの際、生産中止ということになっていくだろう」と、今後EVはMEBベースのものに絞っていくことを明かした。

EVを様々な人に乗ってもらいたいと話すヴェルシュ博士。「VWの哲学として、様々な人に様々なモデルを届けたい。なのでEV=プレミアムということにはならず、EVモデルの拡充は選択肢が増えることだと思っていただきたい」と、多くの人がその選択肢としてEVを選べるようにしていきたいという。

電動化が騒がれる昨今。ではガソリン車、ディーゼル車は今後どうなっていくのか?「EV車が20%という話だが、逆に言えば80%がエンジン車ということ。我々の目標はCO2の排出をできる限り少なくすることなので、環境に優しいクルマ作りがこれからの戦略だ」と、クリーンなガソリン車、ディーゼル車を引き続き作っていくということだ。

80%という数字だが、この中にガソリン、ディーゼル、ハイブリッドが含まれる。しかしその比率は国や地域によって変わって来るだろうと話すヴェルシュ博士。「例えば、中国ではディーゼルが使えない、イタリアはガソリン車が多い、といった地域によって全然違ってくる」とし、重要なのはその比率に柔軟に対応できるラインナップを持つことだと強調した。

それでは、今後走りを追求したスポーティなモデルは姿を消してしまうのか?これに対してヴェルシュ博士は「我々は(スポーティなクルマを作るということの)モチベーションも興味も失っていない。これからも『ゴルフR』など、魅力的なクルマがたくさん出て来るし、『ゴルフGTI』なども引き続き開発をしていく」と、今後も変わらず開発を進めていくことを明かした。

「ただ、EVだからスポーティではない、ということはないと思っている。走る楽しさはEVになっても変わらないし、今と同じように魅力的なクルマを作っていきたい」とし、時代の変化の中で形は変われども、VWらしさは変わらないと話した。

《関 航介》

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