大阪まわり続けて半世紀…大阪環状線の103系が引退

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最終日(10月3日)の京橋駅の様子。この日限りで103系が大阪環状線から姿を消した。
最終日(10月3日)の京橋駅の様子。この日限りで103系が大阪環状線から姿を消した。 全 14 枚 拡大写真

大阪環状線を半世紀近く走り続けた国鉄通勤形電車の103系が10月3日午前、ついに引退した。JR西日本が推進している「大阪環状線改造プロジェクト」の一環として新型車両が導入されたのに伴うもの。同線の「ドア数統一」がまもなく完了する。

103系は1963年にデビューした国鉄の通勤形電車。これより6年前の1957年、中空軸平行カルダン駆動や走行機器を複数の車両に分散配置する「MMユニット方式」などを国鉄電車として初めて採用した90系電車(後の101系電車)がデビューしており、103系は101系をベースにしつつモーター出力を向上するなどの変更が加えられた。山手線など大都市圏の国鉄通勤路線を中心に大量導入され、1984年までに約3400両が製造された。

大阪環状線では1969年12月にデビュー。車体は東京の中央快速線などと同じオレンジバーミリオン(朱色1号)1色で塗られ、大阪環状線を象徴する色になった。延命工事などの補修を行って長らく使われてきたが、新型車両の導入に伴い引退することになり、2016年12月に323系電車が大阪環状線で運転を開始。これにより同線の103系は順次運用を終了し、10月3日に最後の1編成が引退した。

最後の列車は10月3日の11時19分、京橋駅に到着。数分後には回送列車として車両基地に向かった。当日の103系車内では「オレンジ色の電車として親しまれてまいりましたが、新型車両323(サンニイサン)系電車に、その役目を引継ぎます。1969年12月10日のデビューから48年、長きにわたりご利用いただき誠に有難うございました」という内容の車内放送が流れたという。

大阪環状線から103系が引退したことにより、同線を走る国鉄時代製造の電車は201系だけになった。これも2018年度には引退する見込みで、同線の快速・普通列車は323系などJR発足後に製造された車両に統一される。ドアの数は103系と201系が片側4カ所だがJR発足後の車両は3カ所で、201系が引退すれば3カ所に統一される。

103系は大阪環状線からは引退したが、JR西日本の奈良線やJR九州の筑肥線などではまだ運行されている。

《草町義和》

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