【メルセデス マイバッハ S560 試乗】まさに運転手さんになった気分…中村孝仁

試乗記 輸入車
メルセデス マイバッハ S560
メルセデス マイバッハ S560 全 22 枚 拡大写真

メルセデスのトップグレード、マイバッハに乗った。このクルマの場合、本来乗ったというならば後席である。しかし、今回は運転をした。

【画像全22枚】

全長5465mm。『S560』と付くから、メルセデスのそれと同じと思ったらいけない。メルセデスのS560は5255mmだから、マイバッハの方が240mm長い。そのうちの200mmがホイールベースで、実は前後オーバーハングはメルセデスの方が長い。フロントシートの寸法はメルセデスとマイバッハ共に完全に一致するのだが、後席はシート前後長で25mmマイバッハが大きく、逆に後席の座面から天井までの距離は30mmほどメルセデスの方が大きい。

基本的にはSクラスよりもより寛いだ体制で座らせることを想定した配置。詳しい寸法は書いていないが、どう考えたってレッグスペースはホイールベースが長い分だけ、後席の空間として与えられているから大きい。それにマイバッハは後席シートにオットマンが付く。試しに座ってオットマンを引き上げて写真を撮ってみたが、何とも似合わなかった。やはり運転手さんの方が似合っているということか。

というわけでこのクルマは明々白々にリアシートが特等席であって、本来なら白い手袋でもして運転席に収まらなくてはいけない雰囲気だが、そうもいかず、5.46m、2330kgもある巨体を動かしてみることにした。2330kgと言えば、デカいSUV並。当然ながらもっさりとした動きを想像しがちだろうが、そうでないところがメルセデス-マイバッハの凄いところ。試乗車はV8ツインターボ搭載車だから、性能的にはメルセデスS560と全く同じである。そして試乗車はメルセデスも含めてどちらも4マチックであるから、メカニズム的な差異はない。

V8のパフォーマンスは469ps、700Nm。その700Nmを2000~4000rpmの常用域で常に発している。このエンジン、ツインターボをVバンクの内側に装備したコンパクトなもので、排気量も4リットルと小さい。加えてこのエンジン、低負荷時では4気筒を休ませる気筒休止機構も付いている。マイバッハと言えども省エネには気を使う、というわけだ。

インパネを見渡してもメルセデスSクラスと違うところなんざぁない!って思っていたら、あった!メルセデスの時計は時計自体にメルセデスのスリーポインテッドスターが付くのだが、マイバッハの方は何とIWCの文字が浮かび上がっている。果たして中身が違うかどうか知らないが、とにかくブランド時計が付いていた。

運転フィールはメルセデスと違うはずもない。車重は110kgほど重いけれど、それほど加速フィールが違うとは感じなかった。もっともそんなに馬鹿ッ飛ばしが出来る交通状況ではなかったから、常用範囲内での話である。因みにJC08モード燃費はやはり重い分マイバッハが不利で、8.4km/リットル。一方のメルセデスは9.0km/リットルである。

それにしても、S560に乗った時は運転していて「こりゃ凄い」の連続であったが、マイバッハに乗ると実は全くそれを感じない。理由は明らかにリアシートが特等席だからだろう。メルセデスのリアシートだって十分にゴージャスだし、快適だった(止まった状態)けど、マイバッハはそれを遥かに上回る。ヘッドレストだってちゃんとソフトな素材のものが別に付けられていて、まさに安楽椅子の様相を呈しているし、背もたれも角度を大きく変えられる。よく見ないと分からないが、メルセデスはリアのクォーターウィンドーがドア側につくのに対し、マイバッハはボディ側につく。室内から見るとまるで小窓のようになる。それでプライベートが保たれるわけで、やはり作りが根本的に違っていた。

マイバッハをドライブすると、まさに運転手さんになった気分しかなかったのである。

■5つ星評価
パッケージング ★★★★★
インテリア居住性 ★★★★★
パワーソース ★★★★★
フットワーク ★★★★★
おすすめ度 ★★★★★

中村孝仁(なかむらたかひと)AJAJ会員
1952年生まれ、4歳にしてモーターマガジンの誌面を飾るクルマ好き。その後スーパーカーショップのバイトに始まり、ノバエンジニアリングの丁稚メカを経験し、その後ドイツでクルマ修行。1977年にジャーナリズム業界に入り、以来39年間、フリージャーナリストとして活動を続けている。

《中村 孝仁》

中村 孝仁

中村孝仁(なかむらたかひと)|AJAJ会員 1952年生まれ、4歳にしてモーターマガジンの誌面を飾るクルマ好き。その後スーパーカーショップのバイトに始まり、ノバエンジニアリングの丁稚メカを経験し、さらにドイツでクルマ修行。1977年にジャーナリズム業界に入り、以来45年間、フリージャーナリストとして活動を続けている。また、現在は企業やシニア向け運転講習の会社、ショーファデプト代表取締役も務める。

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