LiB主要4部材世界市場、2020年には2.2倍の2兆4700億円に拡大---矢野経済調べ

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トヨタプリウスのリチウムイオンバッテリー(参考画像)
トヨタプリウスのリチウムイオンバッテリー(参考画像) 全 2 枚 拡大写真

矢野経済研究所は、リチウムイオン電池(LiB)主要4部材世界市場の調査を実施。その結果を「2017年版 リチウムイオン電池部材市場の現状と将来展望 ~主要四部材編~」にまとめた。

調査は正極材、負極材、電解液(電解質)、セパレーターの主要4部材が対象で、日本や韓国、中国、欧州等のLiB部材メーカーに、2017年3月~9月の期間、同社専門研究員による直接面談、電話・e-mailによるヒアリングならびに文献調査を併用して行った。

調査結果によると、2016年のLiB主要4部材世界市場規模(メーカー出荷金額ベース)は、前年比40.1%増の98億7700万ドル(約1兆1062億円)と推計。車載用LiBセル向けを含む中大型LiBセル向けの出荷数量が民生小型機器用LiBセル向けを上回る形となった。2017年以降も引き続き車載用LiBセル向け材料需要が拡大する見通しで、民生小型機器用LiBセル向けは穏やかな成長率での推移が続くと予測する。

原材料コストの上昇を主要因に価格が上昇トレンドとなった部材も見られ、2017年の同市場規模は、2016年比29.6%増の127億9900万ドル(約1兆4334億円)の規模を見込む。さらに2020年には同123.6%増の220億8800万ドル(約2兆4738億円)に達すると予測する。

またLiB主要4部材のほとんどで、引き続き中国メーカーが存在感を高めており、2017年以降も中国内需拡大への対応で中国LiB部材メーカーが出荷を伸ばしていくと予測。日韓LiB部材メーカーは今後、日韓LiBセルメーカーが主要顧客としている日欧米自動車メーカー(OEM)の欧州xEV市場等での成長に依存する形で出荷増となる可能性が考えられる。

2017年以降もLiB主要4部材の全てで今後の大型案件の獲得を目指し、設備投資を優先させている状況が見られるが、部材毎に生産能力と実需のギャップは異なる。なお、車載用LiBセル向けに採用可能なハイグレード品、特に電解液、湿式セパレーターのハイグレード品に関しては、今後も需給状況はタイト感が続く可能性もあると考える。

《纐纈敏也@DAYS》

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