マツダ CX-8 のコンセプト「TIMELESS EDGY」をデザイナーが解説

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諫山チーフデザイナー(右)と菅デザイナー
諫山チーフデザイナー(右)と菅デザイナー 全 29 枚 拡大写真

東京ミッドタウンで10月13日にスタートした「Tokyo Midtown DESIGN TOUCH 2017」。マツダはここに出展し、12月発売予定の『CX-8』を展示している。また初日には内外装の担当デザイナーが、メディア向けにプレゼンテーションをおこなった。

この3列座席を持つSUVのエクステリアについて説明したのは、諌山慎一チーフデザイナー。「CX-8はSUVらしい力強さと同時に、マツダらしいスポーティな走りのよさを感じられるデザイン。大人らしい落ち着きや、凛としたたたずまいを感じさせるフォルムを磨き上げました」という。

一番のポイントは「キャビンのボリュームを吟味して、伸びやかでスタイリッシュな印象を持たせつつ、3列目も大人がちゃんと座れるパッケージレイアウトを成立させている」ということだとか。

「マツダでは”魂動デザイン”の哲学のもとに、『CX-5』からは”Car as Art”というスローガンを設定し、美しさでさらなる喜びを提供しようとしています。CX-8はその取り組みにおいて新たな一歩を踏み出すもので、最上位SUVとして具現化しました」(諫山チーフデザイナー)。

またプレゼンテーションでは、上級グレードのインテリア紹介に多くの時間が費やされた。インテリア担当の菅由希デザイナーによれば、CX-8で目指したのは「本物の素材を使い、情感に訴えるインテリア」だという。

その実現のために「審美眼を持った大人の所有欲を掻き立てるような、上質でこだわりのある素材感。ドライバーだけでなく、すべての乗員が上質なおもてなしを感じられる特別な空間。従来の”プレミアムといえばラグジュアリー”という価値観とは異なった、マツダとしての新しいプレミアムを表現したカラーコーディネーション。この3点を追求しました」と菅デザイナー。

さらに素材のポイントとして3点を挙げた。それは薄くスライスしたアユース材を積層した本杢材、なめらかで柔らかな触感のナッパレザー、サテンメッキとクロームメッキというふたつの金属表現だという。

積層材を選んだ理由について、菅デザイナーは「TIMELESS EDGYに合う素材を探し、初期には(一般的な)ナチュラルな木目も検討しました。しかしトラッドな印象で”エッジーさ”に欠けていた。緻密でモダンな表情が欲しくて、(パターンに)ゆらぎの少ない積層杢を採用し、その断面を見せることで繊細さやモダンさを表現しました」と説明する。ちなみにマツダ車のインテリアに本杢パネルが使われるのは、ユーノス『コスモ』の生産終了以来、20年ぶりのことだとか。

ナッパレザーは大人の審美眼にかなう、しっとりとなめらかな手触りをクルマのインテリアに取り込みたいという意図で選んだもの。既存のマツダ車にも採用されているが、製法を進化させたという。革らしい表情をつけるためにシボのある型で押すのではなく、平滑な表面の型で押す「鏡シボ」という工法を採用。これによって本来のシボの美しさを保ちながら凹凸を減らし、なめらかで柔らかな触感を実現したという。またパーフォレーションもCX-8用にアップデート。孔を従来の1mmから0.7mmという業界最小の針を使用し、ピッチも狭くすることでなめらかな手触りとしたとのこと。

最後の金属表現については、SUVの力強さと上質でエレガントな美しさの融合を目指し、2つの金属表現をコンビネーションで使用。骨格を示す構造体の部分ではサテンメッキで力強さを感じさせる表現。その他の部位のクロームメッキでは、シャープにキラリと光ることでエレガントさの表現としているという。

なおデザインタッチでは、スタンドの演出もマツダのデザイナーがディレクションを担当。『CX-5』よりももう一段大人っぽい、上質な世界観を持ったクルマだということをアピールする狙いがあるという。さらに、大型SUVやミニバンのように使うこともできるが、マツダ車に共通するドライバーズカーとしての価値も追求している、というメッセージでもあるとか。

諫山チーフデザイナーは「”デザイン”というものが、単にクルマの形というだけでなく、生活を豊かにする価値の一部だということを感じ取ってほしい、という思いでデザインタッチにも参加しています」と説明する。このマツダの展示は10月22日(日)まで。東京ミッドタウンの1Fキャノピープラザで11~19時におこなわれている。

《古庄 速人》

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