ショーワ 杉山社長「より完成度の高い製品を生み出すために重要な施設となる」…新テストコースが完成

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テープカットの臨む(左から)ショーワの市村博専務執行役員、本田技術研究所の関野陽介執行役員、日本道路の久松博三社長、ショーワの杉山伸幸社長、塩谷町の見形和久町長、本田技術研究所の金黒雅仁執行役員、ショーワの古谷野英彦執行役員
テープカットの臨む(左から)ショーワの市村博専務執行役員、本田技術研究所の関野陽介執行役員、日本道路の久松博三社長、ショーワの杉山伸幸社長、塩谷町の見形和久町長、本田技術研究所の金黒雅仁執行役員、ショーワの古谷野英彦執行役員 全 5 枚 拡大写真

ショーワは10月20日、栃木県塩谷町で新テストコース「塩谷プルービンググランド ワインディングコース」の完成式典を開催した。このテストコースはJR宇都宮駅から北へ約30kmのところにあり、そばに鬼怒川が流れている。

ショーワについては詳しく説明するまでもないが、ホンダ系の自動車部品メーカーで、2輪車向けのショックアブソーバーや4輪車向けのパワーステアリングシステムを主に製造している。連結売上高は約2600億円で、うちホンダの比率が7割以上と高い企業だ。そんなショーワがなぜテストコースをつくることになったのか。

「現在はシミュレーション技術を駆使して開発していくことが大きな流れになっているが、しかし、そのシミュレーション技術を使うには実際に走ったデータが欠かせない。このテストコースは米国や欧州の道路を模擬してつくった。実車のデータを集めて解析し、また実車を走らせてデータを集める。シミュレーション技術を強くするにはテストコースが必要だった」と杉山伸幸社長は説明する。

実はこのワインディングコースは第2期工事でつくったものなのだ。第1期工事(2015年9月)ですでに直線路、旋回路、特殊路をつくっており、そこに今回、“気持ちよさや楽しさ、安心”につながるビークルダイナミクスを評価検証するために、新たにワインディングコースをつくったという。

ドイツと米国の検定路の路面を車で3Dスキャンをし、そのデータを基につくり上げた。「コースは半分に分かれていて、左半分が米国の路面を、右半分が欧州の路面をもしたコースになっている。米国路に関しては非常に起伏があって、カーブがきつくなっており、車両の一体感とトレース性を検証できるようになっている。一方、欧州路は非常に緩やかで、高速域での安定性を検証しようと考えている」と開発副本部長の古谷野英彦執行役員。

その製作のために、ダンプカー5万5000台分の土砂を持ち込んだそうだ。ワインディングコースの全長は1500mで、コース幅が4.5m。そこを同社の製品を搭載した市販車を100km/h以上で走らせ、検証していく。

「今後、より完成度の高い製品を生み出すために、このたび新設したワインディングコースが非常に重要な施設になってくる。自動化対応の研究もここで実施していく。ショーワは2018年に創業80周年を迎えるが、このワインディングコースとともに、今後も気持ちよさと楽しさ、安心につながる製品、技術の提案を続け、世界中に信頼されるシステムサプライヤーを目指して邁進していく」と杉山社長は力説していた。

《山田清志》

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