防災科研の海底観測網データ、JR本州3社に配信…鉄道での活用は初

鉄道 企業動向
JR本州3社は海底観測網データを活用して地震の早期検知と列車の緊急停止にかかる時間の短縮を目指す。写真はJR東海の新幹線。
JR本州3社は海底観測網データを活用して地震の早期検知と列車の緊急停止にかかる時間の短縮を目指す。写真はJR東海の新幹線。 全 2 枚 拡大写真

国立研究開発法人の防災科学技術研究所(防災科研)は、海底地震津波観測網から得られるデータを鉄道事業者に提供する。防災科研とJRの本州3社が10月30日、データ提供に関する相互協力協定を締結した。防災科研の海底観測網データが鉄道事業者の防災対策に直接活用されるのは、これが初めて。

防災科研は日本海溝沿いに日本海溝海底地震津波観測網(S-net)を整備して運用しており、南海トラフ巨大地震の想定震源域でも地震・津波観測監視システム(DONET)を運用している。防災科研は鉄道総合技術研究所(鉄道総研)と共同で研究したデータ伝送方式を利用し、海底地震計データを本州3社に配信する。

まず11月1日から、防災科研が房総沖のデータをJR東日本に配信。JR東日本は同社の新幹線早期地震検知システムに配信データを導入する。JR東海とJR西日本へは2018年度中に試験配信を開始し、2019年度からの新幹線の運行制御への活用を目指す。

JR本州3社は、地震発生を早期に検知して列車を緊急停止させるシステムを導入している。従来のシステムは陸上に設置された地震計の情報を用いているが、海底観測網データを活用することで、地震をより早く検知できるようになるという。JR東日本は検知時間(新幹線)が最大で約20秒短縮される見込みとしている。

《草町義和》

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