白昼堂々と買収された?「DPZ」「カルカル」東急グループに

鉄道 企業動向
ニフティの人気コンテンツだった「DPZ」(左)が東急沿線のケーブル局・プロバイダ「イッツコム」(右)に譲渡された。
ニフティの人気コンテンツだった「DPZ」(左)が東急沿線のケーブル局・プロバイダ「イッツコム」(右)に譲渡された。 全 2 枚 拡大写真

東京急行電鉄(東急電鉄)が全額出資する東急沿線のケーブルテレビ局・インターネットプロバイダ「イッツ・コミュニケーションズ(イッツコム)」は、ウェブコンテンツ「デイリーポータルZ(DPZ)」と飲食店「東京カルチャーカルチャー(カルカル)」の事業を譲り受けた。

DPZは2002年10月、インターネットプロバイダのニフティが開設したウェブコンテンツ。これまでに「納豆を一万回混ぜる」「スーパーで買ってきたモヤシを育てられないか」などの記事を公開してきた。DPZは「愉快な気分になりますが、役に立つことはありません」としている。鉄道関係の記事も多く、「間違えて大森に行く」や「鉄道写真の手法で人を撮ると、人は鉄道に見えるのか」「寝台列車個室にマイ食堂車を作る試み」などがある。

カルカルは2007年にニフティがオープンしたイベントハウス型の飲食店。さまざまなジャンルのトークイベントが行われている。店舗は東京臨海副都心(東京都江東区)にあったが、2016年11月に渋谷区内に移転した。

イッツコムは事業譲渡契約をニフティと締結し、今年11月1日からDPZとカルカルの運営を開始。DPZ・カルカルのオフィスも東急線の二子玉川駅(東京都世田谷区)近くにあるイッツコム本社に移った。カルカルの店舗は引き続き渋谷に残る。

これに伴いDPZは、イッツコム本社の近くを流れる多摩川の河原をオフィスとして使ってみる企画を実施。DPZが11月1日に公開した記事では白昼堂々、河原に机を置いて打ち合わせをする姿や、東急田園都市線の電車に手を振る姿、「拾ったボールでキャッチボール」する姿などの写真が掲載された。

DPZウェブマスターの林雄司さんは、記事で「デイリーポータルZは東急グループです」と述べ、大手私鉄系列のウェブサイトになったことを強調。その一方で「デザインも記事のテイストもそのままです」とし、内容は変えない方針を示した。カルカルの横山シンスケ店長も「何か大きな変化があるという事はなく、ますますパワーアップする事になります」としている。

イッツコムは「東急グループは(中略)『エンタテイメントシティSHIBUYA』の実現を目指し、渋谷駅周辺の再開発を進めています」「同グループの一員として『デイリーポータルZ』および『東京カルチャーカルチャー』を自社にて運営することが、既存サービスとのシナジーの創出ならびに事業の拡大に繋がる」などと発表。今回の買収が渋谷再開発に伴うコンテンツ強化策の一環であることを匂わせた。

《草町義和》

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