スズキ社長、過去最高益更新も「喜んでいられるような状態ではない」

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スズキ 鈴木俊宏 社長
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スズキの2018年3月期第2四半期(4~9月期)決算は主力のインドを始め日本や欧州での四輪車販売が好調だったことなどから営業利益が前年同期比49.7%増の1728億円と過去最高を更新した。

スズキの鈴木俊宏社長は11月2日に都内で開いた決算会見で「やはり小型車へシフトしていく、あるいは小型車の中でもグレードの高いところへシフトしていったという影響が大きいと思っている。そのような中で、過去最高の収益を上げられたのは喜ばしいこと」と総括した。

一方で「世界的にEV(電気自動車)やハイブリッドへのシフトが進む中、小型車へ少しシフトはしているというものの、スズキ自体は小さいクルマが中心なので、やはり客様に受け入れられる価格帯で、そういったものをどうやって実現していったらいいのかということが課題だと思っている」とも指摘。

その上で「それに伴う研究開発費であるとか設備投資含めて今後、ますます収益を圧迫する要因が増えていくので、この決算に甘えることなく、効果的な開発を行っていくこと、これは設計部門だけではなく全社的に業務の効率化を図っていかなければならないかということを考えていく必要があると思っている」と述べた。

スズキの4~9月期の四輪車世界販売台数は前年同期比12.6%増の158万1000台と過去最高を更新。このうちスズキの最大市場であるインドの販売台数は同17.1%増82万6000台とこちらも過去最高を更新した。

鈴木社長は「インドで救われているという思いがある」としながらも、「私自身としてはインドも非常に不安。インドはあまりにも(販売)ボリュームが大きいので、EV化、ハイブリッド化が一気に進むと足元をすくわれるかなと心配している」ことも明かした。

このため「のような決算がでたから安心という思いはない。全世界みても一定の成長でいくかというと本当に何が起こるかわからない時代になっていると思うので、その辺は販社や工場を通じてでも、いろんな情報をアンテナ高くして集めるようにしないと本当に足元をすくわれるという感じがするので、ここで喜んでいられるような状態ではないと思っている」と、気を引き締めていた。

スズキは第2四半期決算を受けて通期予想を上方修正した。販売好調に為替の追い風も加わって営業利益は従来の前期比10%減の2400億円から同12.5%増の3000億円と、一転して増益を見込んでいる。

《小松哲也》

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