スズキ社長、二輪事業が念願の黒字達成でも「第3四半期の赤字幅縮小がポイント」

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スズキの決算会見の様子。中央にいるのが鈴木俊宏社長
スズキの決算会見の様子。中央にいるのが鈴木俊宏社長 全 1 枚 拡大写真

スズキが11月2日に発表した2017年度第2四半期(4~9月)の連結業績は、売上高、各利益とも過去最高で、課題であった二輪事業も前年同期の7億円の赤字から37億円の黒字となり、念願の黒字化を達成した。

インド、中国、アジアなどアジアでの販売が62万8000台(前年同期比26.6%増)と好調だったのが要因で、特にインドではスクーターの『アクセス』が好評で、前年同期に比べて50.7%も伸び、24万1000台となった。また、インドネシアもスポーツバイク『GSX-R150』が牽引し、同74.1%増の4万1000台を記録した。

しかし、鈴木俊宏社長の表情は厳しい。「黒字化したとはいえ、通期ではまだ結果が出ていない。例年を見ると、第3四半期をどう乗り越えていくかが1つのポイントとなっている。そこの赤字幅をどう抑えていくかが重要だ」

それも頷ける話で、この5年間の通期業績を見ても、2013年度以外はすべて赤字で、その黒字もたったの1億円だった。これでは上期に黒字になっても、安心できるものではない。「やはり売れ残ったものをどうしていくかが問われる。今の段階ですでに在庫になっている部分があるかもしれないが、そこをどう乗り切り、次のシーズンに向けて準備をするところで経費を抑えるなどの取り組みをして、通期を黒字にしたい」と鈴木社長は話す。

その鈴木社長は今回の東京モーターショーを見て、痛感したことがあったという。それは他社のオートバイに比べて、商品的に劣っているものが多いということだ。確かに来場者の様子を見ると、注目を浴びていたのはフラッグシップモデルの『隼』などの大型バイクばかりで、参考出品したスクーター『スウィッシュ』をはじめとした小型バイクにはそれほど来場者が集まらなかった。

「他社に一歩でも二歩でも近づける商品を市場投入できるようにしていかなければいけない。そういうことをやりながらなんとか安定的に黒字を確保できるような取り組みをしていきたい」と鈴木社長は強調する。スズキが二輪事業の黒字化を定着させるには、まだしばらく時間がかかりそうだ。

《山田清志》

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