古い鉄道車両が商店街へ…飲食店やコミュニティースペースに活用

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吊り上げられた後に、元信楽高原鉄道のKR301号(旧SKR301号・左)と交錯したキハ603号(右)。
吊り上げられた後に、元信楽高原鉄道のKR301号(旧SKR301号・左)と交錯したキハ603号(右)。 全 1 枚 拡大写真

引退後、しばらく紀伊御坊駅(和歌山県御坊市)構内に留置されていた元紀州鉄道のキハ603号がこのほど、和歌山県御坊市の商店街へ移設された。紀州鉄道が自社のブログで明らかにした。

移設作業は11月4日に行なわれ、元信楽高原鉄道のKR205号(旧SKR205号)に引き出されたキハ603は、クレーンに吊り上げられ、およそ30分で移設を完了したという。

移設後は、車体の半分がたこ焼きや丼物を扱う飲食店として、残りがコミュニティースペースとして利用されるということで、12月オープンを目指して塗装や内装の作業が進められる。

キハ603号は、1960年に新潟鐵工所(現・新潟トランシス)で2両が製造された大分交通キハ600形の1両。大分交通では耶馬溪(やばけい)線で使われていたが、1975年に同線が廃止された後に、キハ604号とともに紀州鉄道に入線した。

冷房付きのキテツ1形が導入されたことや、部品調達の問題から、2009年11月に運行を終えていたが、将来の復活運行が考慮されていたことから、2010年12月に解体されたキハ603から部品供与されつつ、2012年まで車籍が残っていた。

復活運行は、維持を含めて数千万規模の費用がかかるということで頓挫し、一時は廃車の方針が打ち出されたが、御坊市本町商店街振興組合が、国の「まちなか商業活性化支援事業費補助金」を活用して、紀伊御坊駅に近い本町商店街の活性化を目的に譲り受けることになり、静態保存が実現した。

《佐藤正樹(キハユニ工房)》

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