鉄道に代わる「地域の足」になり得るのか?…福井県の鉄道廃線跡で自動運転の実証実験

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永平寺参ろーどで走行試験中の自動運転EVコミューター。全長2.5m・2人乗りの小型車で、公道に準じた場所での実験は、今回が初めてという。
永平寺参ろーどで走行試験中の自動運転EVコミューター。全長2.5m・2人乗りの小型車で、公道に準じた場所での実験は、今回が初めてという。 全 2 枚 拡大写真
パナソニックは11月13日、福井県、永平寺町と共同で、旧京福電気鉄道永平寺線の廃線跡を活用した自動運転車両走行の実証実験を、2019年3月末日まで実施することを明らかにした。

京福電気鉄道永平寺線は、金津駅(あわら市)と永平寺駅(永平寺町)を結んでいた24.6kmの路線。福井県の嶺北地方を横断する鉄道だったが、2002年10月までに全線が廃止されている。

その後、永平寺町が廃線跡を活用し、えちぜん鉄道永平寺口駅と永平寺を結ぶおよそ6kmを「永平寺参(まい)ろーど」という町道として整備、遊歩道として使用している。

永平寺参ろーどは、福井県の支援と、国の「地方創生拠点整備交付金」を活用して、自動走行実証実験用のオープンラボとしても整備されており、2017年3月には国立研究開発法人産業技術総合研究所の「専用空間における自動走行等を活用した端末交通システムの社会実装に向けた実証端末交通システムの実証評価地域」のひとつに選定されているという。

10月3日から永平寺参ろーどの一部で、自動運転EVコミューターを走行させているこの実証実験は、パナソニックとしては公道に準じる環境で初めて行なう自動運転車両実験で、自車位置の測位やカメラ検知の動作検証、障害物回避や歩行者の侵入に備えた制動検証、クラウドサーバーを利用した車両管制システムの動作検証などが行なわれている。

永平寺参ろーど沿線には、少子高齢化が続く集落や、曹洞宗の大本山として知られる永平寺があることから、鉄道廃止後の交通手段確保が課題となっていただけに、今回の実証実験は、自動運転車が鉄道の代替として地域の足になり得るのかという点も検証されている。

年内の試験は11月17日までで、2018年4月から2019年3月末日までは、不定期な実験も予定されている。次回の実験では、永平寺参ろーど全線で走行試験を行ない、自動運転技術やモビリティサービスの実用化に向けた検証を行なうとしている。

《佐藤正樹(キハユニ工房)》

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