半蔵門線で火災発生!…東京メトロ、模擬トンネル使った大規模訓練

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半蔵門線の列車で火災が発生……という想定により行われた訓練の様子。トンネル内が煙で覆われた。
半蔵門線の列車で火災が発生……という想定により行われた訓練の様子。トンネル内が煙で覆われた。 全 14 枚 拡大写真

東京地下鉄(東京メトロ)は11月14日、総合研修訓練センター(東京都江東区)で「異常時総合想定訓練」を実施。その様子を報道陣に公開した。

今回は火災が発生したとの想定で訓練が行われた。半蔵門線の列車が清澄白河~水天宮前間を走行中、電車の台車から火災が発生して駅間に停車。運転士が初期消火を試みたが鎮火できないため、消防隊などと連携して乗客の救出、避難誘導、消火活動を行うものとした。

模擬トンネル内に留置された模擬車両に乗客役の約150人が乗り込み、列車が停止した状態から訓練を開始。編成先頭の運転士が列車から下りて初期消火活動を行った。続いて携帯型の発煙筒(信号炎管)を実際に発火。これを線路上に置いて停止信号とし、列車の防護を図った。

編成後方では乗客の避難誘導を実施。車両先頭部の非常用扉を開けて階段を設置し、乗客が順次線路上に降りて模擬駅の方へと歩いて行った。トンネル内では煙が立ちこめ、消防隊が霧状の水を射出する噴霧放水を実施。これによりトンネル内の煙を反対方向に追いやった。東京メトロの異常時総合想定訓練で噴霧放水が行われたのは、これが初めてだ。

乗客の避難誘導と消火活動の完了後、「搬送トロ」と呼ばれる器具を車輪に取り付ける訓練も行われた。正常に回転できず車両の搬出が困難になった場合、搬送トロを設置した上でジャッキアップを行うと、車両を移動させることができるという。

総合研修訓練センターは、有楽町線の新木場車両基地に隣接する訓練施設。2016年に開設された。模擬駅や模擬トンネルなど本物そっくりの施設が整備され、実物とほぼ同じ構造の模擬車両も導入された。営業用の施設を使うことなく、大がかりな訓練を行うことができる。

同センターでの異常時総合想定訓練は2016年に続き2度目。前回は大きな地震が発生したという想定で行われた。今年12月には地下鉄開通90周年記念企画の一環として、総合研修訓練センターの一般公開が行われる予定だ(参加申込みは締切済み)。

《草町義和》

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