【ハーレー ヘリテイジクラシック 試乗】伝統的スタイルで走りは新しい「旅するハーレー」…佐川健太郎

モーターサイクル 新型車
ハーレー ヘリテイジクラシック
ハーレー ヘリテイジクラシック 全 14 枚 拡大写真

『ヘリテイジクラシック』は1950年代の伝統的なハーレーのスタイルを現代の技術で再現したモデルである。深いフェンダーに収まったワイヤースポークホイールとハイウォールタイヤの組み合わせや、フットボードタイプなどに古き良き時代のハーレーの面影を残していて嬉しくなる。

【画像全14枚】

その一方で大きな進化も見られる。まずデザインが従来のクロームメッキを多用したラグジュアリーな雰囲気から一転して、新型では黒塗りのエンジンにマット系カラーをあしらうなど、最近流行りのボバースタイルにも通ずる都会的センスにまとめられている。

また、取り外し可能な大型ウインドシールドも新設計となりサドルバッグもロック付き防水タイプに、3連ヘッドライトもランニングライトが美しいLEDとなり、さらにクルーズコントロールも標準装備されるなど、旅の装備も一段とアップデートされた。

ツインプラグに4バルブが採用されるなど一気に現代的になったミルウォーキーエイト114エンジンは、1868ccの排気量が吐き出す分厚いトルクが魅力。かといって炸裂する感じではなく、右手の反応はいたって穏やか。長いマフラーによって消音されたマイルドな鼓動感が心地よい。ハーレーの開発者によると、エンジンそのものはシリーズ共通だが、吸排気系や前後サスの設定の違い、また車重によっても乗り味は変わってくるらしい。ちなみにヘリテイジクラシックは荷物を積んでタンデムで出かけることを想定してロングタイプのリヤサスを採用しているため、とりわけ乗り心地が良い。車重もシリーズ中で最も重い330kgということで挙動も穏やかだ。

にもかかわらず、今回試乗した新型ソフテイルの中でもトップクラスの軽快なハンドリングには驚く。理由としては前後16インチの小径で細めのタイヤ(フロント130/リヤ150)を採用していることに加え、トレール量も140mmと短めに設定されていることも影響していると思う。見た目によらず、スポーティなディメンションが与えられているのだ。

高めにプルバックされたハンドルやソファのように心地よいシート、ミッドコントロールに位置するボード状ステップなど、リラックスできるライポジをとことん追求している。それでいてツーリングファミリーに比べると軽量コンパクトな車体は、ハーレーの中ではスポーツツアラー、あるいはライトツアラーの位置付けと言えるだろう。まさに“旅するハーレー”と呼ぶに相応しいモデルだ。

■5つ星評価
パワーソース:★★★★★
ハンドリング:★★★★★
扱いやすさ:★★★★
快適性:★★★★★
オススメ度:★★★★★

佐川健太郎|モーターサイクルジャーナリスト
早稲田大学教育学部卒業後、出版・販促コンサルタント会社を経て独立。編集者を経て現在はジャーナリストとして2輪専門誌やWEBメディアで活躍する傍ら、「ライディングアカデミー東京」校長を務めるなど、セーフティライディングの普及にも注力。(株)モト・マニアックス代表。バイク動画ジャーナル『MOTOCOM』編集長。日本交通心理学会員。MFJ公認インストラクター。

《佐川健太郎》

佐川健太郎

早稲田大学教育学部卒業後、出版・販促コンサルタント会社を経て独立。編集者を経て現在はジャーナリストとして2輪専門誌やWEBメディアで活躍する傍ら、「ライディングアカデミー東京」校長を務めるなど、セーフティライディングの普及にも注力。メーカーやディーラーのアドバイザーも務める。(株)モト・マニアックス代表。「Yahoo!ニュース個人」オーサー。日本交通心理学会員。MFJ公認インストラクター。

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