【ジープ コンパス 試乗】「リミテッド」と「ロンジチュード」の差は、意外と大きい…岩貞るみこ

試乗記 輸入車
ジープ コンパス ロンジチュード
ジープ コンパス ロンジチュード 全 24 枚 拡大写真
フルモデルチェンジで、プレミアム感のエッセンスを入れられた『コンパス』。グレードの中核を担う「ロンジチュード」は、Aピラーからルーフラインにかけて黒く塗られ、SUVらしからぬシャープなボディラインを表現している。全高は1640mmと、弟分の『レネゲード』よりもわずかに低め。すらりとしたスタイルで勝負に出てきた。

ただし、このAピラー(窓枠)、内側から見るとナナメぶりと太さが気になる。ここにサイドミラーがついているので、死角が大きいのだ。「日本は北米に比べると歩行者事故が多いんだよ、横断歩道を渡っている子どもたちが左折巻き込みで犠牲になるんだよ」と心の中でつぶやきながら、次のフルモデルチェンジでは(って、いつ?)もう少し外が見やすくなるといいなと願うばかりである。

エンジンは2.4リットル。これに6ATが組み合わされているのだが、アクセルを踏み込んで、シフトダウンして加速するときのエンジン音が耳につく。サスペンションは、アスファルト路面を走っていると、ちょっと床の下がバタバタする感じ。アメリカの荒野、とまではいかなくともラフロードをゆったり流すほうが似合うかもしれない。

同じコンパスでも、4WDで9ATを搭載している「リミテッド」だと、加速もなめらか、シフトダウンしてエンジン回転数が上がっても音量は気にならず、なによりバタバタ感が抑えられている。走りにプレミアム感を感じたいなら、4WDのほうがおススメかもしれない。

さらに、ロンジチュードの装備で惜しいのは、オートライトとバックビューモニターが設定されていないこと。特にバックビューモニターは、女性ドライバーの必須アイテムになりつつあるので、4WDのリミテッドだけでなく、FFで燃費のいいロンジチュードにも早期導入を求めたい。

■5つ星評価
パッケージング:★★★★
インテリア/居住性:★★★
パワーソース:★★
フットワーク:★★★
オススメ度:★★★

岩貞るみこ|モータージャーナリスト/作家
イタリア在住経験があり、グローバルなユーザー視点から行政に対し積極的に発言を行っている。主にコンパクトカーを中心に取材するほか、最近は ノンフィクション作家として子供たちに命の尊さを伝える活動を行っている。レスポンスでは、アラフィー女性ユーザー視点でのインプレを執筆。9月よりコラム『岩貞るみこの人道車医』を連載。

《岩貞るみこ》

岩貞るみこ

岩貞るみこ|モータージャーナリスト/作家 イタリア在住経験があり、グローバルなユーザー視点から行政に対し積極的に発言を行っている。レスポンスでは、女性ユーザーの本音で語るインプレを執筆するほか、コラム『岩貞るみこの人道車医』を連載中。著書に「未来のクルマができるまで 世界初、水素で走る燃料電池自動車 MIRAI」「ハチ公物語」「命をつなげ!ドクターヘリ」ほか多数。2024年6月に最新刊「こちら、沖縄美ら海水族館 動物健康管理室。」を上梓(すべて講談社)。

+ 続きを読む

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. 「TWIN TURBOのロゴ懐かしい!」Z32ファン感涙、レトロ感あふれる新型『フェアレディZ』が話題に
  2. 【プジョー 3008 新型試乗】全身鋼のような硬さに満ち溢れる。これが新時代のプジョーか…中村孝仁
  3. 「思ったよりだいぶ安い」トヨタ『GRヤリス』に新登場、エアロパフォーマンスパッケージに絶賛の声
  4. メルセデスベンツ初のEVワゴン、CLAシューティングブレーク新型…IAAモビリティ2025
  5. メルセデスベンツ『Cクラス』次期型を予告、光る大型グリル採用…初のEVも設定へ
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 「AIディファインド」の衝撃、日本の自動車産業は新たな波に飲み込まれるのか…アクセンチュア シニア・マネジャー 藤本雄一郎氏[インタビュー]
  2. EV充電インフラ-停滞する世界と“異常値”を示す日本…富士経済 山田賢司氏[インタビュー]
  3. ステランティスの水素事業撤退、シンビオに深刻な影響…フォルヴィアとミシュランが懸念表明
  4. SUBARUの次世代アイサイト、画像認識技術と最新AI技術融合へ…開発にHPEサーバー導入
  5. 「ハンズオフ」は本当に必要なのか? 高速での手離し運転を実現したホンダ『アコード』を試乗して感じた「意識の変化」
ランキングをもっと見る