ジャガー XFスポーツブレイク 新型で戦闘準備完了、READY TO PLAYがコンセプト

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ジャガー XFスポーツブレイクと錦織圭選手
ジャガー XFスポーツブレイクと錦織圭選手 全 16 枚 拡大写真

ジャガー・ランドローバー・ジャパンはジャガー『XF』にステーションワゴンタイプの『XFスポーツブレイク』を追加。2018年モデルとしてサルーンと並行して導入する。納車予定は2018年1月下旬から2月上旬の予定だ。

◇積極的に活動するジャガー・ランドローバー・ジャパン

2017年、ジャガー・ランドローバー・ジャパンは5代目となるランドローバー『ディスカバリー』や、『レンジローバー・ヴェラール』を投入。

10月より新しいウェブサイトも始まった。オンラインセールスアドバイザーと称するもので、「日本でも最先端のオンラインセールスツールだ」と同社代表取締役社長のマグナス・ハンソン氏がいうこのシステムは、全国の正規販売ディーラーネットワークにある新車在庫から、お客の好みに合う車両を検索し、車両の取り置きや商談予約をオンライン上で一括して行うことが出来るサービス。保有車の下取り参考価格の算出や、ローンシミュレーションまで行うことが出来る。

こういったことから、「我々にとって躍動感溢れるエキサイティングな年となった」と振り返る。

今後の展開についてハンソン氏は、「コンパクトSUVのジャガー『Eペイス』や、来年後半にはエレクトリックパフォーマンスSUVの『Iペイス』も控えている」とコメントした。

◇READY TO PLAY…戦う準備は出来ている

ジャガーXFは、「ダイナミックラグジュアリーサルーンであり、多くの賞を受けているクルマだ」とハンソン氏。そこにXFスポーツブレイクを投入することで、「大切なプレミアムセグメントに返り咲く」と意気込みを語る。そのポイントは、「洗練されたスタイルを求め、ダイナミックさも求める。静けさを求め、パフォーマンスも求める。スペースを求め、スポーティーさも求めるなど、あらゆる望みを叶えるジャガーだ」とした。

同社マーケティング・広報部ディレクターの若林敬一氏はXFスポーツブレイクのコンセプトを「READY TO PLAY、戦う準備が出来ている」と発表。3年前にデビューしたXFサルーンと同じフロントフェイスは、「スーツを着ても似合うようなクルマに見えるが、リアを見るとブレイクというだけあって、PLAY出来る様相を呈している」という。このPLAYという意味には遊ぶという他に、真剣に物事にあたるというものもある。そこで、「まさに戦う準備が出来ている、READY TO PLAYがXFスポーツブレイクのコンセプトに相応しいワードだ」と説明した。

◇テニスボールが最大6500個入るラゲッジルーム

そのスタイルについて若林氏は、「ルーフラインが滑らかでそこから伸びやかさを感じさせている。それを印象づけるためにフロントからリアに抜ける(ドアハンドル上の)キャラクターラインにエッジを利かせ、直線で通している」と述べる。また、テールランプは『F TYPE』と同様の半円の形状を用いており、こういったことから「スタイリッシュなワゴンがスポーツブレイクだ」とした。

XFスポーツブレイクは、スタイリッシュでありながら実用性も高い。このセグメントでは主流となりつつあるハンズフリーテールゲートを採用しており、足での開閉が可能になった。また、その荷室容量は565リットルでテニスボールが2900個入り、リアシートを倒すと最大1700リットルとなり、この時は6500個のテニスボールが入るという。因みにゴルフボールでは2万7800個とのことだ。

室内では、オプションで1.6平方メートルの大きさのパノラミックルーフが選択出来る。このルーフの開閉は、手でルーフを前後になぞる、ジェスチャーコントロールで行い、若林氏は「安全面に配慮したもの」と述べる。また、スタートボタンが点滅している。若林氏によると「その間隔は1分間に72回。これは動物のジャガーの鼓動を表している」と遊び心もある。

◇サルーンよりもスポーツブレイクが主力になる可能性も

さて、あえてジャガーがXFにスポーツブレイクを導入した理由は何か。同社マーケティング・広報部プロダクトマネージャーの佐藤健氏によると、「メルセデス『Eクラスステーションワゴン』やBMW『5シリーズツーリング』が属する市場がとても活性化しているからだ」という。また、「20年から30年前のステーションワゴンブームの時から、ずっとステーションワゴンを乗り続けている多くの人たちがいる。その人たちは使い勝手などからこのクラスでないと満足してもらえない。そこでジャガーはXFスポーツブレイクを投入した」と説明。

しかし、日本市場で、Eクラスや5シリーズのユーザー層を見ると、その多くが基盤客で占められてる。そこに打って出るのはかなりのリスクがあるようにも思う。佐藤さんはその点は認め、「ほぼ8割が自車内の代替えだ。しかし、裏を返すと2割の人が流動しているということ。そこに間違いなくチャンスがあると見て狙ったのだ」とコメントした。

一方で、「セダン市場は、かなり厳しい」と佐藤氏。「我々もXFサルーンを導入しているが、このセグメントの流動性はワゴンよりも低いことから、スポーツブレイクの方が狙い目だと考えている」と話す。そして、「具体的な数字は答えられないが、結果的にはスポーツブレイクの方が販売割合は多くなるかもしれない」と述べる。

最後にXFスポーツブレイクの強みについて佐藤氏は、「技術的な部分、右脳左脳でいうと左脳で考える、ロジカルな部分はドイツ車に魅力がある。しかし我々は、イギリスのエモーショナルなブランド。デザインなどで表現されているその部分は間違いなくドイツ勢に勝てる部分だ」と語る。そしてもうひとつ、「ジャガーが昔から持っている、スポーツカーとしての走行性能の高さがある。それを裏付けるものとして、75%のアルミボディなどにより走りの良さを実現している」とした。

《内田俊一》

内田俊一

内田俊一(うちだしゅんいち) 日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)会員 1966年生まれ。自動車関連のマーケティングリサーチ会社に18年間在籍し、先行開発、ユーザー調査に携わる。その後独立し、これまでの経験を活かしデザイン、マーケティング等の視点を中心に執筆。また、クラシックカーの分野も得意としている。保有車は車検切れのルノー25バカラとルノー10。

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